2018年8月6日月曜日

千両役者

レジェンドによる始球式が企画されたのは何時なのだろう。始球式のトップは松井と早くから決まっていたらしいが、開幕戦が星稜となること自体、誰が想像し得たか。
なおかつ、星稜が後攻で星稜のキャッチャーに投げるとは、松井が「誰か仕掛けたのか」と心情を吐露したというが、運とは不思議な現象を生み出すものである。そんな思いをしながら開会式を見ていた。

奥川にとって生涯忘れ得ない晴れ舞台となった

昨日の始球式の模様を活写した新聞記事があった
赤いグラブを手にした松井さんは、360度囲んだ観客に一礼し、大きな拍手に包まれた。
マウンドで一呼吸入れた松井さんは、後輩にあたる星稜の捕手山瀬慎之助に向かって、「いくぞ」と言わんばかりに、右手に握ったボールを示した。ノーワインドアップ投法で放ったボールはワンバウンドで山瀬のミットに。ボール球だったのが悔しかったのか、松井さんは投球後、頭を抱え、観客の笑いと拍手を誘った。

始球式を終えた松井さんと記者団の一問一答は次の通り。
――始球式を終えて、今の感想は
まずは、記念の甲子園大会に呼んでいただけたこと、素晴らしい舞台で投げさせていただいたことに感謝です。
投球に関してはちょっと……。練習ではいい球いってたんで、いけるかなと思ってたんですけどね。
甲子園のマウンドは未経験なので、経験不足が露呈して、この歳になっても甲子園の魔物に襲われたな、と思っています。


――投球後、頭を抱えていましたが、どんな気持ちでしたか
ど真ん中にいく予定だったので、思わず出てしまいました。
でも、今の自分の力いっぱいで投げられたのでよかったです。
――後ろを星稜の選手が守っていましたが、気持ち的には何か違いましたか
自分が着ていたユニホームを甲子園で見る、また、こういう特別な機会に後輩たちとあそこで一緒になれる、っていうのは夢のようです。


――(星稜投手の)奥川君とはどんな話をされたんですか



星稜高校野球部の機密事項です。
――昨晩、(星稜の)林監督が電話で松井さんと話されたと言っていました。どのようなゲキを飛ばされたのでしょうか
まず、自分が(甲子園の始球式に)来る時に、母校が開幕戦に来てくれてありがとう、と彼とチームに感謝を伝えました。

――通常の始球式よりも強い思いを込められているように見えましたが、どんな気持ちを込められましたか
(星稜の)あの黄色のユニホームを見たら力が入っちゃいましてね。暴投を投げても、後輩だから大丈夫だと。遠慮なく思いっきり投げたんですけどね。それがよくなかったですね……。

――開幕戦が星稜に決まった時、率直にどんな気持ちでしたか
驚きました。誰か仕組んだんじゃねえかな、と。本当に驚きました。

また、こんな記事もあった
松井秀喜は大河ドラマ・甲子園に欠かせない千両役者だった 
●高校野球史上3人いた怪物の1人、松井秀喜
いかつい体、鋭い眼光、打席で発散する迫力。公式なものではないが、高校野球史上で怪物と称されたのは江川卓と松坂大輔、そしてこの松井秀喜しかいないのではないか。しかも、“ゴジラ”である。1992年の選抜で、ラッキーゾーン撤去後の第1号をたたき込んだ松井はその夏、ど迫力をまとって戻ってきた。石川大会では、満塁ホーマー含む13打数8安打8打点。野手のグラブをはじき飛ばすような二塁ゴロが失策と記録され、「あんな打球、捕れないよ」と野手への同情を誘ったほどだ。甲子園では、あわや……の当たりを放って1回戦を突破し、明徳義塾(高知)戦で喫した5敬遠……。組み合わせ抽選で、初戦を勝ち上がると次の対戦が明徳義塾となるクジを引いたのが主将の松井。語り継がれる伝説は、知らぬ間に本人が演出していたわけだ。 

さて、昨日の藤蔭戦。1点先取したものの意外と手ごわい相手と思わせる同点となって、県予選の星稜らしさが欠けていると思う試合展開であった。南保のホームランを期待していたのだが昨日は「らしさ」が出し切れていなかった。それでも鯰田が大活躍。奥川も150キロの剛速球。結局、星稜らしさは十分発揮した快勝であった。
次の試合も目が離せない!

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