2018年8月4日土曜日

れんこん初出荷

先日の新聞で加賀れんこんが初出荷されたという記事が掲載された。
今年は例年より4,5日早いように思う。

加賀れんこんは来年5月末まで、北陸三県や関東、関西、中京地区の市場に出荷される。年間約800トンの出荷量を見込んでいるという。

この加賀れんこんは、小坂地区と河北潟干拓地で生産されたれんこんを「加賀れんこん」と称して販売されているのだが、実は食感が全く相違しているのである。
収穫方法としては鍬掘りと水掘りがあり、主に小坂地区は鍬掘り、河北潟は水掘りで収穫されている。 

小坂れんこんは泥がついたまま
河北潟干拓地では水堀で泥が付いていない
「加賀れんこん」の一番の特徴は“ねばり”である。切ったときに糸を引くことは他の蓮根でもみられるが、よりきめが細かく、細胞密度が細かいため、糸は多く、引っ張ってもなかなか切れないのである。
この“ねばり”によって、つなぎ無しでも団子状になる。食べた食感は「もちもち」しているのである。

小坂れんこんが栽培されるハス田の土質は、粘り気のある微粒子からなる土質である。そのため収穫する場合は深く足が沈み込み収穫作業は重労働となる。
自分の住んでいる千坂地区はれんこんの生産地である。
その千坂地区では明治の後期、法光寺町、柳橋町で栽培されたのが始まりで、他の地域に比べて歴史は浅く、横枕町、百坂町、金市町、福久町にある蓮根田は、戦後の昭和25年頃から栽培が行われた。それまでは水田で稲作が中心だったが、土地が軟弱なことから蓮根に適しているのではと試作。好結果を得たことで、米づくりから蓮根に転換している。 

横枕地内の生産者
この地域は昭和11年、金沢市に合併するまでは、河北郡小坂村であったことから今も「小坂蓮根」の名称で出荷され、加賀野菜の代表格の一つとなっている。実が軟らかく、舌さわりが良いことで、全国的に評価は高い。蓮根は地質が微妙に影響し、地続きでありながら横枕町と金市町で作られたものでは味が違うと言われている。いずれにしても「こんもり」とした味わいは、野菜の醍醐味とされている。 

福久地内で数年前かられんこん栽培にチャレンジしている人がいる。収穫時期になると採れたてのれんこんをわざわざ持ってきていただくのだが、重労働の成果であるれんこんだから感謝しながら頂いている。

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