2018年8月26日日曜日

最近見かけなくなったもの

あの車が来た時には、親指を中にして握りしめないと何か良くないことが起きる、と、まことしとやかに誰もがそう言っていた。
あの車とは何?答えは宮型霊柩車である。そういえば最近全く見かけなくなったなぁと思う。

あの車の豪華絢爛的車内
その理由は何だろう。
理由1.沿道住民の苦情が多い
  2.斎場付近住民が毎日その車を見て死を連想する
  3.使用料金が極めて高い
ある市役所は、斎場への宮型霊柩車の入場を禁止しているという。


昨年1月、宮型霊柩車製造会社の草分けメーカーの「セガワ」が業績不振で1億円の負債を抱えて破産したという。



オリジナルカーで知られる自動車メーカー、光岡自動車(富山市)の担当者も「現在、宮型を使っている葬儀社は限りなくゼロに近いだろう。当社も宮型の製造をやめてしまった。豪華な装飾を施した宮型霊きゅう車が街から姿を消した一方、見た目は普通の自動車と変わらない“ネットにつながる霊きゅう車”が主流になる日も、そう遠くなさそうだ。

一方、減少の一途をたどる日本国内とは対照的に、アジアの仏教国では派手な金色装飾の宮型霊柩車が脚光を浴びつつある。モンゴルでは「走る寺」と歓迎され、社会主義時代に寺が破壊されるなど迫害を受けた仏教のイメージアップにも寄与しているという。

日本葬送文化学会会員で葬祭業者「アラキ」(千葉県八街市)の荒木由光(よしみつ)社長(68)は平成15年以降、中古の宮型3台をモンゴルの国営葬儀社に寄贈。学会のモンゴル視察で、ある僧から「あの宮殿のような車を譲ってほしい」と言われたのが始まりだった。 


同国は土葬や風葬が根付いていたが、当時は墓地不足などから火葬が見直されていた。ただ、棺を積む車は軽トラックと簡素なものしかなく、「金ぴかの宮型が死者を盛大に弔う同国の国民性と合致したのかも」と荒木社長は振り返る。


当時、ウランバートル市長から感謝状を受けるなど自治体にも歓迎され、マスコミ取材も殺到。現在、寄贈を受けた国営葬儀社では宮型から予約が埋まっていくほど人気だという。 
もう1年前くらいになるが、ウランバートルで日本の中古霊柩車が大人気となっている模様を放映していた。何と、タクシーとしても人気があるのだとか。中古車の需要はアフリカでも高まっているという。

宮型霊柩車外観
精巧かつ緻密な造りは日本独自の技術があって初めて可能なのである。美術品として眺めればその価値は高いだろう。



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