2018年8月21日火曜日

「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られるかな

ぬいぐるみじゃないし、かぶりもんでもない。だが、動き回っているところを見ると、中に人がいるから「ゆるきゃら」の類かも知れない。
NHK番組「チコちゃんに叱られる」に出ているチコちゃんなのだ。
今年度よりレギュラー化した番組である(4月13日に初回放送)が、この番組が放送批評懇談会が選定する「2018年7月度ギャラクシー賞月間賞」を受賞したという。 


このチコちゃんは、どういう仕掛けになっているのか表情が「怒る」「笑う」「悲しむ」「てれる」等々、千変万化するのだ。
「『いってらっしゃーい』ってお別れするとき、手を振るのはなぜ?」「『かんぱーい』ってするときに、グラスをカチン、あれはなぜするの?」など、番組キャラクターである5歳の女の子・チコちゃんが素朴な疑問で大人たちを不意打ちにしていく。 

そんなチコちゃんの質問に対して出演者が上手く答えられないと、一瞬にしてチコちゃんは怒りの形相に変わり、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叫ぶのだ。その後、チコちゃんの口から解答が告げられ、VTRでその詳細が明かされるのだが、構造としてはきわめてシンプルな雑学クイズ番組である。なぜこれほどの人気を集めているのだろうか。


『チコちゃんに叱られる!』の売りは、何と言ってもクイズの出題者がチコちゃんという5歳の少女であること。チコちゃんは年齢に似合わず大人にも生意気な口を利き、昔のことでもよく知っている。そして、上から目線でゲストたちに質問を投げかける。
単なる「上から目線」は嫌われてしまいがちだが、小さい女の子が言っていると思うと何となく許せてしまうから不思議なものだ。むしろ、こんな小さい子が知っていることを自分は知らないのだと思うと、焦りさえ感じてしまう。質問を突きつけられたゲストも、それを見ている視聴者も、5歳児にいいように振り回されてドキドキした気分を味わい、それを楽しんでいるのである。
そんなチコちゃんが発する「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という決め台詞も印象的。このフレーズは一度聞いたら忘れられないのだ。チコちゃんに叱られることで大人たちは改めて気付かされるのだ。知っているつもりで知らないことが世の中にはたくさんある、ということに。

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