2013年10月30日水曜日

今年最後の果実

今年もこの時期、パーゴラにアケビが実った。
我が家に実ったアケビ
アケビの木は家を建てて間もないころ、中庭の花壇に2本植えた。
数年は実のなる気配が全くなかったが、5年ほど前から数個の実を付けるようになった。
今年は最も実が多く、10個ほどできた。
2,3日前、孫がアケビの実が落ちているよと知らせてくれた。

私が幼いころ、甘い物といえば山の実を採りに行ってよく食べた。
春はイタドリ、グミ、初夏にスモモ、イチジク、秋は柿、アケビ、クリ。
今の子供たちは見向きもしない。食べ物が容易に手に入るかそうでないかの差なのだろう。
小学生の頃は5,6年生になって山に入り採れるようになった。実を口に含んでもぐもぐすると甘さが口いっぱいに広がる。頃合いをみて種を吹き出す。

中・高生だった頃の秋の季節は、戸室山の麓へ友達とアケビを採りに行った。
大学病院前の大通りから金沢刑務所の高い塀に沿って暫く行くと、鶴間坂を下り田上を過ぎてかなり長い登り坂を登りきると俵に出る。そこから麓までそんなに遠くはない。
アケビは蔓の植物であるから、細い木にからまって実を付ける。だからその実を採るには経験がいる。

そんな思い出が強く脳裏に刻まれているためか、我が家に果実を付ける木がかなり植えてある。
梅、杏子、キイチゴ、そしてアケビ。
杏子とキイチゴはジャムにするととても美味。
アケビは思い出の味。孫に食べさせたが「また食べたい」という声は聞かない。
蔓の伸びが早くて手入れが追い付かない


2013年10月9日水曜日

新幹線計画業務(その9)トンネル設計及び積算と苦闘

トンネルの設計で基本的なことは、トンネル入り口から中央部までが登り勾配、出口までが下り勾配とするのが原則。これは掘削を進めていく場合に地下水の排出を考慮しなければならないためである。
次に重要なことは、地質の想定作業であり、これが崩落防止の鋼製支保工のピッチ、コンクリート巻厚設計に反映される。
工事積算作業に入るまでには設計が完了していなければならない。

地質の想定は弾性波探査によったが、その調査結果が急がれた。
弾性波探査はトンネルルートに沿って地表に一定間隔に火薬を仕掛けて振動波の伝播速度を調べることによって地層・岩盤の状態を推定する調査方法である。
専門的な解説
屈折法地震探査は、地盤構造を弾性波が伝わる速度の違いとしてとらえる手法です。弾性波速度からは地盤の硬軟などの工学的情報を得ることができ、その構成状況から地質構造等を推定することにも利用できます。土木・建設の分野では弾性波探査といえば屈折法地震探査のことを指します。弾性波探査で求められる速度値は、信頼性が高いとともに地盤強度との相関性が良く、岩種と弾性波速度から岩盤分類や地山区分の情報として利用されており、設計・施工時の有益な情報を関連技術体系に提供するものとして重要です。これらの特徴を生かして、土木構造物や資源開発および一般地質構造調査などを目的として広範囲に利用されています。

当時の一般的なトンネル掘削工法は、底設導坑先進上部半断面掘削工法であった。
底設導坑、先端を切羽という
ジャンボによる導坑掘削作業
底設導坑の断面積は14㎡、掘削ずり運搬の鋼車がすれ違いできる複線のレールが敷設される。
この導坑が50m程度掘削が進捗した時に、この頂部に穴を開けて上部半断面の掘削作業が着手される。
上部半断面工事の状況
この写真は上半掘削が100m以上進み、コンクリート巻き立て工事が終わっている状況である。

その後を追うように導坑の両側を開削する
側壁コンクリート部分の掘削を行い、コンクリートを打設する
以上の工程を経てトンネルは完成する
 以上の工程を十分理解したうえで積算作業に入る必要があった。
己斐東、西両工区の積算補助員をして間もなく、五日市トンネル平良斜坑工区の工事用道路を一人で設計せよと指示され、現場調査測量を行って延長500mの道路設計と積算も行い、サイロット工法という特殊工法の積算にも首を突っ込んだ。過酷なまでの業務量を消化しなければならなかった。


2013年10月7日月曜日

ツエーゲン金沢 VS HondaFC戦を観戦

この稿は昨日の出来事についての記録です。
地元金沢のサッカーチーム「ツエーゲン金沢」がパートナーエリア(地域居住者)に居住する住民を対象に、市内地域をいくつかに分けて試合を無料開放して観戦できる制度を導入している。
昨日は城北地区が無料開放だと知ったので、女房と観戦に行った。
入場券
場所は市営サッカー場。観客席はほぼ埋まって1400人余りの入場者だと新聞発表。
試合の前に、U-14日本選抜に選出された金沢市港中学二年の松田康平君の紹介があった。
新聞記事より
第2の本田圭佑を目指して今後の活躍を期待したい。
試合に先立ち中二の松田康平君の紹介
試合開始前の両チームの紹介
ツエーゲン金沢は現在Jリーグ準加盟グループに所属し18チーム中第5位。北陸新幹線が開通する15年までにJリーグ昇格を宣言しているところである。地元として応援したい。
 
Jリーグへの参加条件
  
 
この条件の中で厳しいのが「規定を満たしたホームスタジアムの確保」。
金沢市にしろ県にしろ、いまいち理解が乏しい状況となっている。
市営サッカー場の観客席は2000人未満。何でも、4000人以上収容の施設が必要とのことである。

ともあれ、昨日の試合は1:0で勝利をあげた。
シュートが決まって湧き上がるサポーター
新聞記事
もっと強くなれば、私を含めサポーターもきっと増えるだろうと思う。
頑張れ「ツエーゲン金沢」。
 

2013年10月1日火曜日

新幹線計画業務(その8)君の鼓膜は破れている

昭和45年の重大ニュースの一つに大阪万博の開催が挙げられる。それは3月14日に開幕し、6か月間大人気を博した。
その入場券2枚を購入し仕事の合間を見つけて夫婦で見物することにした。

しかし、妻が流産の懸念があったため大事をとって結局行くこと能わずで、今も2枚の入場券が大切にしまってある。
5月12日、宇品港でシージャック事件が発生し、犯人が狙撃される生々しいニュースが流れた。

テレビで実況中継が始終流れており、仕事そっちのけで成り行きに注目した。
そして犯人は狙撃されその場で倒れこんだ。この情景の記憶は鮮明に残っている。
全日空アカシア便ハイジャック事件や、東亜国内航空墜落、全日空機が自衛隊機と衝突墜落するなど飛行機事故が頻発した年でもあった。
三島由紀夫割腹自殺もこの年。
私個人的にも8月上旬に鼓膜破裂というアクシデントが発生した。係長を除く若手で山口県柱島(戦艦陸奥が轟沈した場所)へ海水浴に出かけた。私は家の近くの川や曽々木海岸で水泳をした経験が豊富であった。柱島の海岸も岩場で水深が深い。そこで勢いよく3mほど潜ったところ、耳が「ぎしっ」としたのでいつも経験する水が入ったと思った。岸に上がりピョンピョン飛び跳ねたが水が出ずすっきりしなかった。
朝目覚めて枕が濡れているのに気付いた。入った水にしては多すぎる量であった。病院で診察をしてもらったところ、「鼓膜が破れている」と告げられた。それから3週間ほど毎日治療に通った。鼻、口、耳に管を差し込まれて「プシュー」とエアーを吹き込まれた。

二人暮らしのアパートの居間に応接セットが入り、オーディオコンポとテープレコーダーを据え付けた。近くの独身寮から若い衆が頻繁に麻雀をしに来るようになった。女房の作る夕食目当てでもあった。
アパートの駐車場に2台のマイカーがあり、いつかは俺もと羨望の気持ちがあった。
9月には九州旅行に行こうと話が決まり、5人で日南海岸、青島、鹿児島、指宿に出かけた。
西郷どんの銅像前で
2度目の青島
開聞岳を背に
指宿のあるホテルにジャングル風呂があるというので行ってみた。大勢の宿泊客で大賑わいであった。大ガラスドームに覆われた熱帯植物園の中に大小さまざまな浴槽があった。男女混浴なので、小高い茂みに囲まれた浴槽の縁に5人が並んで腰かけて若い女性が来るのを待った。そのうち温泉に漬かっていた膝までが真っ赤になった。
おばあさんが2,3人入ってきたようだったが、それ以上待つのは諦めた。