2013年3月27日水曜日

山が動いてる、線路が危ない!

着任して1か月ほどしたある日、係長から「トンネル工事現場の山の頂上付近の地表面に地割れが発生して地滑り発生の恐れが出た。そうなると線路が破壊されてしまうので観測計器を山に設置した。現場事務所の要員に余裕がないので観測調査員として長期出張を命ず」、と通告があった。
名古屋から電車で30分(当時)で定光寺駅に到着する。その駅から多治見までの数キロメートルは急峻な山あいの崖下に玉野川という川沿いに線路がある。万一、地滑りが発生すると線路はひとたまりもなく破壊されるという地形である。
中央本線定光寺・古虎渓間愛岐T位置図
急峻で狭隘な地形に複線化するのは困難なので、別線で線路線形をスピードアップが図れるように曲線半径を大きくするためと列車保安上、複線断面のトンネルを施工する計画となったものである。
地滑りの原因は崖の地表面に直近して複線断面のトンネル掘削によるものであった。
線路横断面図
中央線ルートは川沿いの僅かな平坦な部分を巧みに利用して設定されている。ここに横断面図のとおりトンネルを掘削中であった。トンネル内部に入ってみると、アーチクラウンが側壁上部とずれが発生しており、原因は地山の圧力が相当かかっているためとみられ、応急的に支保工を取り付け防護されていた。
岐工情報という年1回発行されている部内誌があるが、その表紙に現場写真が掲載されていた。
トンネルと線路の位置関係がよくわかる
トンネル掘削の坑外設備は大工場の様相だった
次の日から毎日朝夕2回、そのほか深夜でも警報が鳴るたび急峻な山の頂上まで、息せき切って登山しなければならなかった。

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