2013年3月24日日曜日

能登線余談その2

これまで能登線建設の模様を紹介した写真は、ニコンSPというカメラで撮影したものである。
写真は名刺サイズで焼き付けられたものが殆どである。これをスキャンしてJPG化した。
原版がせめて手札版くらいならもう少し見栄えのある写真をアップできたのにと残念に思う。
今ではネガからJPGに変換できるのだが、そのネガも見当たらない。
現場撮影したフイルムを持って宇出津の写真屋に現像・焼き増しを頼みに行ったとき、店主が私のカメラを見て「是非譲ってほしい」と乞われた。理由を聞くと、ニコンSPはプロが憧れの機種なのだと。
それまで私は自分のカメラがそんなに値打ちのあるものだとは知らなかった。
高校を卒業して間もないころ、弟がそのカメラを持ってきて兄貴にやるといってもらったのものであった。何でも私が蒐集していた切手ファイルを弟に譲ったのを、友人がそれとカメラを交換してくれとせがまれて手に入れたという。
それはチョコレート色した分厚い皮のケースに収められていた。
ニコンSP
写真屋の親父に言わせると、昭和32年発売、レンズ交換できるフォーカルプレンシャッター機能で、レンズがF1.4、ドイツのライカを凌ぐ高性能レンズで98,000円の代物だと。
初任給が1万円の時代であるから、現在価値に換算すると100万円以上か。若いアンちゃんがそんなカメラをぶら下げているのが不思議に思ったに違いない。
そんな話を聞いて譲る気持ちが起きるわけがない。ところが、昭和57年頃、家族で乗鞍岳へ行ったとき写真を撮ろうとした際に巻き上げ部品が突然外れて地面に落ちた。部品を拾ってカメラに取り付けたが、家に帰って巻き上げレバーを調べていたら部品が1個足りないことに気付いた。
カメラ店に部品を取り寄せてもらいたいと依頼したが、30年前製造でもうその部品はないといわれた。やむを得ず4万円くらいのバカチョンカメラを購入した。
最近、ニコンがこの復刻版カメラを販売して即、売り切れだったようである。デジタル時代にはもうそんな価値がないと思うのだが。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ニコンSPなら、サービスセンターか本社に問い合わせてみては如何でしょうか?
日本光学という会社は不思議なところで、古いレンジファインダー機なら、意地でも修理すると思います。
サービスセンター以外でも修理を受け付けてくれる会社があります。(関東カメラサービスなど。)日○テクノは止めた方がいいです。