2018年6月1日金曜日

高齢者に多い二つの病気


2017年版「犯罪白書」において、犯罪全体の件数は減少傾向にあるものの、65歳以上の高齢者の犯罪はほぼ一貫して増え続けているのだという。高齢者の犯罪検挙者数は約4万7000人で1997年に比べると約3.7倍に増えた。中でも大きく増えているのは「傷害・暴行犯」で、こちらは97年に比べ約17.4倍に増えているのだという。高齢者自体が増えているのは確かだが、それにしてもこれだけの増加はちょっと異常である。

理由は一つではないとは思われるが、一番の理由はやはり孤独な老人が増えてきていることにある。周囲とうまくコミュニケーションが取れず、やけになって暴走してしまうパターンである。つまり、孤独は暴走老人の予備軍ということになる。

昔は多くの人が大家族で暮らしていた。おばあちゃんがご飯を作ったり、おじいちゃんが孫の面倒を見たりといったように家族の中でお年寄りの役割がちゃんとあった。人間は極めて社会的な動物であるから、家族という小さな社会であっても、自分以外の人間とともに暮らすことで、我慢すべきところは多かれ少なかれ出てくる。何より孫などとのコミュニケーションは生きがいを感じさせたであろう。

もともと人間は加齢とともに感情をコントロールしにくくなるという。老年精神医学を専門とする精神科医によれば、年を取ると脳の中でもまず先に前頭葉の機能が低下することが多いという。前頭葉が委縮していくと、感情抑制機能の低下や性格の先鋭化といった傾向が強く出るという。
すぐ切れる老人にならないように脳トレを始めよう。

さらにやっかいなことに、国内に約500万人の患者がいるとされる認知症。65歳以上の4人に1人が、認知症かその予備軍とも言われ、「自分は大丈夫か」と不安になる人は多い。知り合いの何人かが現に認知症があれよあれよという間に進行してしまった。


親父が脳梗塞を発症して1年間右半身不随、言語障害、認知機能欠損を起こし、1年後に亡くなった。おふくろは70歳を過ぎたころから認知症が進行したのだが、親父と二人暮らしをしていたので年に数回帰省しても認知症が相当進んでいることはわからなかった。

親父は若い衆に迷惑をかけたくないという思いから、おふくろの認知症を隠していたのである。そんな生活を何年か続けて行くうちに、かなりのストレスが鬱積したのだろう。脳梗塞はそんな生活が続いたため発症した。
「あの気色わるい人は誰や?どこのぼん様や、うちのことよーしっとるけど」と私の女房に聞いたという。気色の悪い人とは私のことだった。こんな悲しい話が現実にあった。

「おばあさんは幸せですよ。何の苦もなく暮らせるのだから」と先代の住職が私に話してくれたのだが、そんな気持ちには到底なれない。


そんなことから、認知症にはなりたくないという思いは人一倍である。
①すぐに切れない②認知症、この二つの予防になるのであれば何でもやりたいと思っている。





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