2019年6月29日土曜日

9秒台記録を期待した観客で陸上競技場が満席!

昨夜、福岡・福岡市博多の森陸上競技場で行われた、第103回日本陸上競技選手権大会の男子100メートル決勝は、素晴らしい選手たちがどんな力走を見せてくれるのか、そして9秒と10秒の間にそそり立つ「壁」を突破するのか胸を高鳴らせてTV画面を注目した。

それにしても陸上競技場の観客席は、これまで見たことがない満席の盛況。9秒台の壁が破られるのを自分の目で確かめたいという願望を持った観客で埋まった。かくいう自分も大いに期待した。
日本の陸上競技でこのような興奮様態に導かれるようになったのは北京のリレーが原点であろう。朝原の小躍りしたシーンが忘れられない。
それにしても100m競技でスターがずらりとスタートラインに立つなんて、今回が特別に際立った感がある。

さて、スタート前の下馬評はどうだったかというと、
【高野進氏 男子100メートル決勝占う】サニブラウンは無風の中で10秒05。しかもまだ余力を残していた。予選で失敗したスタートは、準決勝では力まず前傾して素早く足を運べていた。先頭に立ってからもギアを入れるというより、キープしていたのでもう一段ギアを残していると思う。準決勝は彼の中でいろいろ試しているように見えた。条件が良ければ9秒台も見える走りだった。

決勝のスタートは関西大の坂井が出て、技術を生かせれば桐生も先行できる。サニブラウンがスタートで前に出られなかったら、桐生、小池がレースの主導権を握ることになると思う。桐生は中盤の走りが良い。集中したら完全に別人になるので1日たって変わるかもしれないし、条件次第だが風に乗ると面白くなる。
小池は腕と足のさばきがバッチリ合っている。トップスピードまでの運び方が抜群で後半にもかなり勢いがあるので、もしかしたら最後までいくかもしれない。ただ後半勝負でサニブラウンに勝る者はいないし、スタートが決まれば独走にもなる。彼中心であることは間違いない。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授) ・・・・さすがに的確な予想をされていた!

そして決勝の号砲が鳴り響いた。
スタートの反応時間は0秒153と8人中7番目だったサニブラウン。しかし中盤から先頭に立つと、後続を引き離しフィニッシュ。2年ぶり2度目の栄冠に輝いた。桐生祥秀(日本生命)は10秒16で2位、3位には10秒19で小池祐貴(住友電工)が入った。


日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(フロリダ大)が10秒02の大会新記録で優勝
観客1万4千人の視線を一身に集め、雨にぬれた走路の上をサニブラウンが駆け抜けた。陸上の日本選手権男子100メートル決勝。向かい風の条件では日本最速となる、10秒02の大会新記録で自身2度目の優勝に花を添えた。

レース後、フロリダ大学のキャラクターである「アリゲーター」を模したポーズを披露し、「米国でもっと速い選手と走ってきて、ここで自分の強さを見せられないと意味がないと思った」と、陸上王国で研鑽を重ねるプライドを滲ませた。

注目はスタートだった。27日の予選と準決勝はいずれも出遅れた。「セット」の合図で構えてからピストルが鳴るまでのタイミングが米国の大会より早く、タイミングを取りずらかったため、スタート練習を多めにこなして決勝に臨んだという。

しかし、またも反応が遅れた。右隣の桐生に一瞬、前に出られても「うまくいかないのはいつものこと」と焦らなかった。そこから圧倒的な加速で他の選手を置き去りにし、50メートル付近で勝利を確信した。日本陸連科学委員会のレース分析(速報値)によると、サニブラウンの最高速は50~60メートル区間の秒速11・57メートルで、桐生の同11・38メートル、小池の同11・36メートルを大きく上回った。

この優勝で世界選手権の代表に決定。「世界には化け物みたいな人が多いので、今のままじゃ駄目。技術的には備わってきているが試合で出せないと。メダルを取れるところまで練習を積めていければ」。20歳の大器はドーハの表彰台を見据えている。 

優勝は2度目なんだとか
順位
名前
所属
タイム
1
サニブラウン ハキーム
フロリダ大
10.02 大会新
2
桐生 祥秀
日本生命
10.16
3
小池 祐貴
住友電工
10.19
4
飯塚 翔太
ミズノ
10.24
5
多田 修平
住友電工
10.29
6
坂井 隆一郎
関西大
10.31
7
川上 拓也
大阪ガス
10.31
8
ケンブリッジ 飛鳥
Nike
10.33

自己記録より0.06秒及ばなかったのだが、今年中にこの記録は塗り替えられるだろう。楽しみだなぁ。

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