2017年12月13日水曜日

世論と真逆

日馬富士暴行事件は、鳥取県警が書類送検したが、これをもって収束するのかと思いきや一向に収まる気配がない。
貴乃花親方は理事会において、危機管理委員長の県警電話作戦で
「貴乃花親方が協会の聴取に協力すると、捜査の妨害になるのか?」
貴乃花親方が鳥取県警の捜査を理由に平幕貴ノ岩(27)の聴取に応じないことを書面で読み始めると、理事の1人が「県警に電話してみよう」と声を上げた。捜査幹部は「そちらの判断で決めてくれていい。(協会側が)聴取されても差し支えない」と回答。理事は電話を貴乃花親方にも代わったが回答は同じだった。

貴乃花親方は「(県警が)『そちらに任せる』なので、協力しません」と突っぱねたが、外部理事の高野利雄・危機管理委員長(元名古屋高検検事長)が「理事として責務がある」と迫ると、「警察の捜査が終わった時点で協力する」と折れるしかなかった。
「電話作戦」が突然思いついたものであるはずもなく、貴乃花親方は執行部側の注文相撲にまんまとはまった形だ。

高野危機管理委員長が行った中間報告も「何だこれは!」と腹が立つ。
「貴ノ岩の態度が悪かったので、指導するつもりで日馬富士が暴行した」「貴ノ岩がすぐに謝っていれば、こうはならなかった」という意味の、まるで被害者に非があるかのような内容だ。

 
組織体制のトップに君臨するメンバー(加害者である横綱の日馬富士)を擁護し、組織の下部にいるメンバー(被害者である貴ノ岩)をないがしろにしていると思われかねないし、双方に非があり、やむを得ざる事態だったという方向に無理やり誘導しているように思われる。
貴ノ岩サイドが聴取に応じないのだから、日本相撲協会が聴取できている日馬富士サイドの聴取内容から判断するのは当然だ、あるいは、やむをえないという見解もあるが、もってのほかと思われる。

相撲協会のガバナンスが問われているが、やることなすことがチグハグ。
だから白鵬がつけあがる。

宣戦布告のジャージとも受け止められる白鵬の「モンゴリアンチーム」のアピール。
九州場所や巡業場所でプラカードが立てられた。




協会の動きに対して次のような論評もある。
八角理事長の記者会見によれば、理事会で「理事はじめメンバー全員が協力して日馬富士暴行問題の解決にあたる。これに違反するものは懲戒処分の対象になる」という決議をして確認したという。

これではまるで、協会の聴取に応じない貴ノ岩と、所属する部屋の貴乃花親方に対する牽制ではないか。処分をちらつかせて協力させようとしているように受け取られても抗弁できず、公益通報者保護法に抵触しかねない発言だ。

全く同感である。
貴ノ岩は九州から密かに脱出して東京の病院に入院中だという。協会は今月中に調査結果の最終報告を行うらしいが、貴乃花親方が貴ノ岩の聞き取り調査にいつ協力するのか注目したい。

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