2017年3月19日日曜日

遺産整理士?

今朝のNHKで遺産整理士なるものの番組を放映していた。
始めて耳にした言葉である。仕事の内容を紹介していたが、この時世ならではの仕事ではある。
86歳の孤独死した人の住まいの整理を家族から依頼され、その部屋を整理している場面から番組は始まった。
亡くなってから2週間もたって発見されたそうだが、書棚には愛読書がぎっしりと並べられていた。
家族から「住まいの物を全部処分してください」と依頼されたそうだ。

遺産整理士は全国に17,000人いるという。そして年3,000人づつ増えており、現在脚光を浴びている資格なのだそうだ。
取材された遺産整理士は脱サラでこの仕事を始めたという。サラ金会社の支店長を務めていたが、ヤクザまがいの取り立てなどで虚しさを感じ、子どもが生まれたのを機に脱サラを思い立ったという。

部屋を整理していく中で、満面笑顔の写真や旅行した関係資料は処分するに忍び難く、遺族(長男)にそれを渡すことにした。その遺産整理士は気心の優しい人柄が見て取れた。一応長男はとりあえずのお礼をしていたが、二度と見ることはないかも知れないと言っていた。これほど断絶した家族関係は何が原因か。
それは何十年も前、父親が経営していた会社が倒産して家族が離散したという。
金銭的に相当窮乏生活を強いられた母と子は、父を許すことができなかったのだろう。
それにしても血の繋がった親である。これほど冷たくできるものだろうか。

お寺の敷地にある墓地の入り口に、長い間誰も訪れていない墓を撤去する旨の張り紙があった。
親族は誰もいないのだろうか。いても遠く離れた場所に住んでいると墓参する気持ちが薄くなるのだろう。
こんな事情が重なって、遺産整理士という職業が脚光を浴びてきたと考えられる。なんだかむなしい気持になるのは私だけだろうか。

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