2018年1月27日土曜日

「墓じまい」という社会現象

最近になって、墓じまいという言葉をよく聞くようになった。墓を建てるのではなく撤去したり処分したりすることを”墓じまい”という。
厚生労働省の調べでは無縁墳墓を改葬した数は2013年度で5,044件あったという。
この社会現象は少子高齢化が顕在化したということであろう。
「団塊の世代」の人たちがリタイアする時期を迎えた。そして、墓に対してこれまでと違う考え方が出てきているようである。
”墓は代々、同じ家が継ぐもの” という考え方だけではなくなっているのだ。
お墓を守るっていう時代より墓を含めた人間関係でつながっていくような時代になってきているのだという。
時代の持つ価値観の変化が、お墓のお墓という現実からすけて見えてくる。


大乗寺山付近や金沢近郊に墓地分譲地が沢山あるが、新しく墓を造る人よりも墓じまいする人が上回ったという。
子や孫に墓守の苦労を強いたくないと、墓じまいやこれまでと違う埋葬方法を選択する人が増えている。
墓を造って納骨せずに海に散骨したり、なかには成層圏まで遺灰を風船で飛ばす散骨方法まであるという。
 

墓参りをするのが困難、墓参りをする人がいなくなるといった場合に、墓の管理者(近親者など)が行っているが、少子高齢化の進展により、墓参りをする人がいなくなるケースが増えている。
人口減少によって墓守がいなくなっていることや、都市部への人口一極集中が無縁墓問題の主な要因とされており、管理者が現れない場合にはお墓を撤去する「墓じまい」が行われる。2004年度から2013年度までの10年間で行われた無縁墓の墓じまい数は、全国の自治体や寺院が自主的に行ったものだけで累計45,235基(※)に上り、まだ管理者がいないという判断ができない無縁墓予備群はこれ以上の数になると考えらる。そのような現状の中で、お墓が無縁化し、管理ができなくなる前に自主的に墓じまいを行う人が増えているという。

その墓じまいに関する今回の調査結果では、墓じまい経験者の35.0%は何らかのトラブルに遭遇していたという。そのトラブルの中で最も回答を集めたものは「親族間のトラブル」で、17.0%が経験していたのである。また、「離檀料が予想を超える金額だった」(25.0%)や、「墓石解体費が予想を超える金額だった」(20.0%)など、多くの人が金額面でギャップを感じたこともわかったという。

さらに、心境を尋ねた質問では、墓じまいを決心した当時は58.0%が「お墓管理からの解放に期待していた」という一方で、墓じまい後、新しいお墓を建立しなかった人(n=53)の49.1%が「墓石がないわびしさ」を感じたという実施者の心情が窺える調査結果も判明したという
お墓の墓場
埼玉県川越市にある70代の夫婦の例であるが、
奥さん方の墓地を墓じまいすることになった。
理由は歳を取ってお墓を管理する事が難しくなったためだ。
墓じまいの手順は、住職がお経を唱えて魂を墓石から抜いた後にクレーンで墓石を撤去して、遺骨を別の場所に移せば完了である。

墓石は産業廃棄物として処理される。
墓石を産業廃棄物として処理するのは忍びないという人も多く、広島県にあるような墓石供養場に送られているばあいもある。

墓じまいした家族が向かうところが合葬式慰霊所である。
このような施設が大人気になっているという。


こんなご時世、あなたはどうされますか? 

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