2018年1月17日水曜日

開店6カ月弱で来客20万人の店とは

全国にみちの駅は何店舗あるのだろう。私が行くみちの駅に「桜峠」がある。ここには地元の人が採ってきたきのこがあったり、ブルーベリーのアイスクリームがある。かなり広い泉水があって、景色を楽しみながら休憩できるお気に入りのスポットとなっている。
先月、シニアクラブが和倉で忘年会を開催した翌日、トイレ休憩という名目でみちの駅のと千里浜に寄った。
ここは去年7月にオープンしたのだが、今月7日に来店者が20万人を数えたという。これは驚異的な実績だという。


レジ通過者が二十万人を突破し、節目を記念するセレモニーがあった。
二十万人目となったのは、内灘町の会社員石井義朗さん(54)。妻洋子さん(55)、長女美薫(みく)さん(26)、孫の希(のぞみ)ちゃん(3つ)と、気多大社での初詣帰りに訪れた。

山辺芳宣市長とともに、くす玉を割り、日本酒や升、自然栽培米など同駅の売れ筋商品セットを受け取った。石井さんは「こんなタイミングで来ることはなかなかないので驚いている。新年早々良かった」と話していた。

同駅は昨年七月にオープンし、一年間で二十一万人を目標としているが、予想を上回るペース。野間仁駅長は「これからも良い商品をどんどん開発し、お客さんが来るたびに何か発見のある道の駅にしていきたい」と語った。


商品の品ぞろえや陳列方法がユニークである。これには駅長の営業方針が現れているのだろう。
駅長の野間仁さん
一押し商品は、無肥料・無農薬・無除草剤の自然栽培方式で作った「羽咋米」や野菜と、その加工品。約500の陳列商品を季節に合わせてがらりと変え、「地域の畑を反映した、日常とは異なる道の駅」を実現している。さらに、ディスプレーや駅建物に可愛らしさを取り入れ、食への意識が高い子育て世代の女性をひきつける。

61歳の野間さんは異色の経歴の持ち主である。
横浜市出身。大学卒業後に東芝に入り、18年間、広告を担当した。1981年ごろ、視聴率のあまり振るわなかった1社提供番組を任され、“情報バラエティーの走り”を同僚と企画。2005年の愛知万博では、主催する協会に開幕の7年前から出向し、広報課長を務めた。

北陸との縁は09年、東芝で3県の顧客対応窓口の担当になり、金沢市に赴任したこと。地域を毎日回り、北陸の風土や文化に魅了された。「体が動くうちに、全く違うことに挑戦したい」と一念発起し、57歳で退職。石川県に移住し、農業生産法人「スギヨファーム」(七尾市)で1年弱、農業に関わった。

環境負荷をかけない安心安全な農業生産を学び、これまでの社会経験を生かせる場を探した。それが道の駅の駅長。全国公募で論文や面接による試験を経て、二十数人の中から選ばれた。この時に提案したのは、「香りでもてなす道の駅」。実際に、焼きたてパンやいれたてのコーヒー、有名シェフが調理を手掛けるレストランを取り入れた。さらに、「能登が軸なら、人気ジェラート店『マルガージェラート』(本店・能登町)は外せない」。店側に熱い思いを伝え、限定の「羽咋米クリームチーズ」などの販売にこぎつけた。

もう一度行ってみたいみちの駅である。駅長の経営手腕が見ものでもある。

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