2017年5月25日木曜日

京劇とフラメンコ

北京市内のうらぶれた街並みの一角に、京劇を演ずる余り大きくはない劇場がある。
京劇を特に見たいと希望したわけではないが、ツアーの一部に組み込まれているので、そこへ案内された。
客席は100席ほどだろうか。しばらくすると大音響の太鼓と銅鑼等の中国民族楽器の音が響き渡り開幕となった。
演題は三国志と西遊記。甲高い歌声と大音響の楽器の音は、慣れないものにとっては騒音となる。身体に旗を4,5本立て薙刀のようなものを振り回しながら演ずる。しばらくすると京劇の面白さが分かってきたような気がした。

京劇の特徴として舞台装置はほとんどなくほぼ素舞台の状態で、場面を推測するヒントになる最小限の道具が置かれているだけ。基本的な道具として「一卓二椅」(一つの机と二つの椅子)と言われるが、そのまま机と椅子を表すこともあれば、ベッドあるいは山を表したり、帳(とばり)を付けて寝室や軍の陣営を表したりする。最小限の情報だけを示して、観客に想像する余地を大きく残しているのだという。

京劇は「歌唱、セリフ、しぐさ、立ち回り」という4大要素からなる総合芸術といわれ、ペキン・オペラと英訳される通り、歌唱の重要性は大きく、また楽しみどころでもある。京劇を観ることを「京劇を聴く」と言われる所以といわれている。


演劇が終わると、観客に舞台に上がれという。
西遊記
出演者と記念撮影
ツアーに参加した6名が舞台に上がり記念写真を撮った。

さて、話しが一変するが、伊勢志摩スペイン村に行き広大な敷地を色々回ったのだが、フラメンコショーが演じられている劇場があったのでそこに入ることにした。

フラメンコは、激しい足さばきと手足のしなやかな動きに特徴のある、スペインの伝統的なダンスである。
演劇場パルケエスパーニャで、本場スペイン人ダンサーによる本格的なフラメンコショーを毎日公演している。

スペイン本国でのオーディションを勝ち抜き、来日したフラメンコダンサーと、フラメンコミュージシャンによる演奏をスペインにてスタジオ収録した迫力ある音楽。
日本にいながらにして、まさに本場スペインの臨場感を体験できるのである。

ショーは、ダンサーの生の迫力に加え、ダンサーとのかけ合いや手拍子など観客参加型の要素を入れたり、カスタネット、アバニコ(扇子)、マントン(ショール)、カホン(打楽器)など、フラメンコで使用される代表的な小物を随所に使用したりと、誰でも楽しめる飽きのこない構成になっている。

フラメンコに欠かせない楽器と言えばギター、その他「カホン」と呼ばれる箱型の打楽器や現在ではピアノやフルートなど様々な楽器も使用する。
また、最も使う楽器はカスタネット。小学校で使う青と赤の物とは異なり、黒色が多く、またゴムの代わりに普通のヒモが付いている。
ダンサーは親指以外の指を一本ずつ使い、片手だけで1秒間に10回以上も叩いて音を出すという。

最も特徴的な動きは「サパテアード」という足さばき。
非常に速いスピードで床を踏み鳴らすステップで、靴音がよく聞こえるよう、靴底には釘が打ってある。上手なダンサーは、頭の高さをほとんど変えずにサパテアードすることができるという。
また、手や指のしなやかな動きもフラメンコの特徴なのだ。
ここでも舞台に上がった
観客一体型のフラメンコ、「オーレィ!」。


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