2021年8月16日月曜日

一を見たり聞いたりして十を知る男の行動力

昨日は中断していた大河ドラマが再開された。ドラマはパリ万博が終わり留学中の出来事が中心だった。派遣された1年半は国内にあっては正に激動の時代。とうとう徳川300年に終止符が打たれた。そんな時代背景にあったパリ留学は、幕府からの送金が途絶えた。で、一行はどうしたか。ここで渋沢ならではの才能が遺憾なく発揮された。

一行は万博会場の屋上でパリ市内を見た
エッフェル塔にも登っただろう
パリで文明の余りにも違う世界を見て驚くのだが、渋沢は何のためらいもなく髷を落として洋服で身を固めた。この行動力もなかなか真似ができないことだっただろう。
日本の出品は何と「グランプリ賞」を受賞したという
万博が終わりイギリス等の各国を訪問したり汽車に試乗したりするのだが、とうとう幕府崩壊で送金が途絶えた。さぁどうするか。ここからが渋沢の腕の見せ所。

ある日、日本総領事のフリュリ・エラールに証券取引所へ連れて行ってもらったのだが、取引の様子を見ながら「国債」や「社債」のことを教えてもらう。
“債権”を買う?最初は何のこっちゃと思っただろうが、そこは飲み込みが早い渋沢であった。
「フランス政府に短期間貸し付けるのです。預けた期間に合わせて“利子”がつき、現金が必要となればその時の“相場”で売ることができる。“社債”は同じ要領で会社にお金を貸すこと。会社はその借り集めた“金”で事業をする。リスクはあるがその“金”が事業の役に立つのです。」(エラール)

証券取引所に案内された渋沢
留学費の枯渇する日が迫る中、有り金はたいて債権を買ったのだ。これは度胸のいる行為である。で、半年して帰国が迫ったので債権を売却した。で、その利益が600両もあったという。商才は度胸のない者にはゼロ。自分のままごとみたいな投資も度胸がないからだめだったもんなぁ。

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