2020年7月9日木曜日

世界に進出する石積みプロ集団「穴太衆」(その1)

平成17年から2年間、退職前の業務だったが金沢城の石垣調査に携わった。前田利家が入場して真っ先に取り組んだのが金沢城の整備だった。そのいの一番にやらなければならないのが、城郭の重要な施設である石垣づくりである。
利家は築城の名手として名高い高山右近を招き、城郭の設計計画と施工監理を任せた。右近は石垣づくりの軍団「穴太衆(あのうしゅう)」を呼び寄せた。
玉泉院丸の石垣
金沢城沈床園付近
時は平成時代となり、かの有名な石垣づくりの名集団「穴太衆」もコンコリートに仕事を奪われ、穴太衆も残るは「粟田建設」のみとなってしまったという。粟田建設の社長粟田純徳さん(52)は戦国時代から石垣づくりのプロ集団穴太衆の親方を繋いできた家柄である。
 「伝統は絶やせない。後世につなぐためにも海外に出向くんです」と海外にも目を向けた。

そしてシアトルの日本庭園で石垣を築く講習会を実現させた。粟田さんや参加者が高さ約3メートル、幅約8メートルの石垣を造り、見晴らし台として親しまれるようになった。16年にはポートランドの日本庭園にも採用された。 
この石垣を見た世界的建築家・隈研吾さん(64)は感激した。「20世紀の建築は『整然としたデザインが良い』とされたが、私は違う。穴太積みは雑然としているように見えるが、実は緻密ちみつ。『私と似ている』と思った」 

そして17年。隈さんは自ら設計した時計メーカー・ロレックス米国支社の「ダラス・ロレックスタワー」に穴太積みを採用。
モダンなビルに穴太石積みが完成した
粟田さんらはビルの3面を約50メートルにわたり、最高約5メートルの石垣を巡らせた。近代的なビルとも調和する石垣。隈さんは「堅固さと美しさを兼ね備え、世界に誇れる技術。また穴太衆と仕事がしたい」と話す。

たまたま、10日程前にBSでこの石積みの経緯と工事状況を放送していた。そして、粟田社長の生き様に感銘を受けた。(つづく)


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