2020年12月23日水曜日

千坂校下にある遺跡から続々発掘成果

現在、海側環状道路が鋭意工事中となっているが、工事施工にあたっては遺跡の発掘調査が義務づけされている。千坂校下には千田北遺跡が存在しており、金沢市は2015~今年度、道路建設工事に伴う発掘調査を実施している。その結果、弥生時代から中世までの遺構を確認した。現地は地下水が豊富で、粘土質の土が遺物を酸素から遮断。有機物を傷めるバクテリアの作用が抑えられ、木製品もよく残っているという。

千田北遺跡
今年6月には、薄い板を円筒形に丸めた「曲(ま)げ物(もの)」に13世紀後半~14世紀初頭(鎌倉時代)の人骨が埋葬されているのが見つかった。現代では弁当箱としておなじみの曲げ物だが、棺(ひつぎ)としての使用はまれ。また、北陸地方で中世の全身骨格が残っていることも珍しい。金沢市は約700年ぶりに外界に触れた被葬者の謎の解明を進めるという。

6月に発掘された曲げ物の棺

全国初出土「金箔付き笠塔婆」 
千田北遺跡では二年前には、阿弥陀三尊と呼ばれる阿弥陀如来、観音菩薩(ぼさつ)、勢至(せいし)菩薩を意味する梵字の上に、金箔が施された鎌倉時代の笠塔婆三基の一部が発見された。センターの向井裕知主査は「掘ってびっくり。水がある粘土質のおかげで腐らず、奇跡的にとてもいい状態で見つかった」という。

 
自分が携わった遺跡発掘調査で、津幡の8号線加茂遺跡から奈良時代の立札が発掘されたのが思い出される。
しかし、広島で新幹線建設工事を担当した区域に埋蔵文化財指定地があって、地元の建設反対運動のため着工が遅れに遅れたところをもって、発掘調査が遅々として進まないのを腹立だしく眺めていたこともあった。

昔から千坂校下の千田地内に文化が息づいていたことは地域の誇りである。

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