2019年7月9日火曜日

覚悟の上とは言えども

昨日、前日葬儀のあったご遺族(長男)の方が挨拶に来られた。その人から思いがけない言葉があった。
『親父が病院で、「ワシの葬式する会場を見たい」というので一緒に行った。遺影にする写真もこれにしろと指定した。町内から何人来てくれるかなぁ、30人くらいかなぁとも言っていた・・・』と。
そんな話を聞いて驚愕した。明日をも知れない命だというのに、そんな気持ちになれるものなのか・・・と。

亡くなられたKさんは町会の活動にも積極的に参加された人であった。13年前に町会でネットサークルを立ち上げた際には真っ先に手を挙げてメンバーに加わった一人である。
パソコン教室を開設した際には先生役を買って出られて小学生の指導を行われた。
ところが昨年4月、咳が酷くなったということで入院され検査の結果、余命1年という深刻な病状を医師から告げられた。(ご遺族から昨日聞いた話である)

入院されて半年余りたった昨年暮れにネットサークルを代表してお見舞いに行った。たぶん病状が進んで寝た切りかも知れないと思いながら病室に入った。ところがである。「Kさん」と声をかけるとすぐ起き上がってすこぶる元気な振る舞いをされた。すごく元気になったねぇというと、医師も驚くほど抗がん剤が効いて病巣も小さくなったとニコニコしながら話された。そして、明日か明後日に退院するとおっしゃったのである。

家に2週間、病院に2週間という療養生活が続いていた4月中旬に、ネットサークルの懇親会を開くので出席されるか聞いたところOKとおっしゃった。
そしてかほく市の「やまじゅう」へ会員8名が魚料理を腹いっぱい食べに行った。

料理が出されるまで談笑
舟盛の写真を収めるKさん
さぁ、何から食べようか
話題は尽きない
楽しいひと時を過ごした
この晩餐会はKさんにとって最後の晩餐会となってしまった。帰りの車中でKさんが、「観念するまでいろいろ葛藤があったが今では一切ない」と言われた。
葬儀の1週間前に電話したのだが、「医師から明日か、3日後か、1週間後かも知れないと宣告されている」と話された。そんなことをまるで人ごとのように話されたKさんだが、誰でもそんな心境になれるとは思えない。自分もなれないだろうなぁ。

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