2023年6月13日火曜日

借景の絶妙な技法

借景は、昔から日本庭園によく取り入れられてきた手法である。 その名の通り景色をちょっと借りることで、空間に開放感が生まれたり、部屋にいながらにして、四季の移ろいを感じられるようになる。先だって、足立美術館の庭園について投稿したが、この庭園で借景となった風景はどのような環境なのか調べたくなった。

足立美術館の庭園

庭園越しに見える山々は借景だという。館内から見える風景だが、全く不自然さはない。考え抜かれた造園技術に感嘆しかない。そこで庭園周辺の地形がどうなっているのか見て見たくなって、googl earth で探った。

庭園の裏手は田園が広がり美術館の庭園とは全く相違した景色だった

造園技術者の絶妙な手法にただただ感激するしかない。
「庭園は一枚の絵画」という美術館創設者の信念が素晴らしい。
庭園は借景の山を含め約16万5千平方メートルの広さがあり、「枯山水庭」や「白砂青松庭」などの庭園が整備されている。庭園には絶妙に配置された松やサツキ、ツツジ、モミジなどが広がり、まるで一枚の風景画のようだ。視界に入る山にも電線や電柱などの人工物はない。庭園美を壊さないようにと借景となる山の一部を同館が購入したという。景観維持のため、7人の庭師が懸命な努力を続けている。

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