2021年1月14日木曜日

笹葺き屋根とは初耳だった

茅葺き屋根は子どもの頃から見たり聞いたりしていたのだが、新聞記事に笹葺き屋根・・・という記事を見て、笹で葺いた屋根がある?ということを初めて知った。全国に三軒しか残っていないとされる「笹葺(ささぶ)き」の古民家が石川県七尾市吉田町にあるという。

国内1軒のみとなった永井家
現存確認されている笹葺きは京都府の丹後半島にも二軒あるという。だが、今も人が住んでいるのは七尾市の一軒のみ「冬は少し寒いかもしれんけど、こんなもん慣れじゃろう」。生まれた時からこの家で暮らす永井攻一さん(75)が話す。曽祖父の喜三松(きそまつ)さんが北海道のニシン漁の出稼ぎで資金をため、明治時代に築いたと伝わる。

茅葺きもそうだが、屋根の葺き替えは広範囲の住民の協力が必要である。祖父が実施してから半世紀たった〇三年、永井さんもふき替えた。当初はやり方すら分からず、富山県南砺市の五箇山の民家を大工と見学し、ササの積み方などを勉強。大勢の住民に手伝ってもらい、一週間ほどで仕上げた。協力者への謝礼や食事代で一千万円以上の費用がかかった作業に参加した人は昔の家を懐かしみ、当時の宴会も思い出として残る。「みんなが一緒になって作業する機会ができるのも茅葺きの良さかも」と語る。

施工例
最近だが屋根の一部が傷み、補修が必要に。永井さんが石川県茅葺き文化研究会に相談したところ、理事長の坂本善昭さん(76)は茅葺きの技を市民に伝える企画を提案した。当初は二〇年の開催を考えたが、コロナ禍で一年延期した。

二一年初夏、若手の茅葺き職人や大学生らが全国から七尾に集う予定。茅葺きの技を市民に見せるとともに、感染防止対策を取って交流会の開催も検討している。「技術継承や自然保全のため若者を取り込み、石川でも茅葺き師(職人)を育てたい」と坂本さん。主な費用は同会が負担する。補修用のササは永井さんが妻紀子さんと一緒に付近の山で刈って集めている。手間暇、費用、大変だが住人の永井さん夫婦は他に変えるつもりはないという。笹葺きの住宅は屋根や梁、柱などの構造も違うのだろうなぁ。


0 件のコメント: