2018年3月6日火曜日

目からウロコ 輪島が日本一だとは!

ある統計表を見て「あれっ」と思った。1位輪島、2位高松、3位氷見、4位七尾と続いていた。これはフグの漁獲高ランキングだという。
石川県の港が2つも上位に入っているということは、当然石川県がナンバーワンである。


フグといえば下関と思い込んでいたのである。ところが山口県は7番目となっているではないか。


平成23年度、平成24年度と、石川県の天然ふぐ類漁獲量は全国1位を記録した。全国市町村別でみても、上位10位以内に石川県の市町村が3カ所エントリーしている。お隣富山県の氷見市も全国3位に入っており、能登近海ではたくさんの天然ふぐが漁獲されていることがわかる。

主に水揚げされているふぐは「ごまふぐ」なのだが、とらふぐ、真ふぐ、ひがんふぐ、しろさばふぐなど、多様なふぐ類が漁獲されることが特徴的である。さまざまなふぐ類が漁獲されるのは、まさに「生物多様性」を育む能登の自然の豊かさの恩恵である。能登の自然、文化、景観等は2011年度に「世界農業遺産(GIAHS)」に認定された。こうした豊かな自然を守っていくことも能登ふぐ事業協同組合の使命だと感じているという。

あまり知られていないが、ふぐは長距離を泳いでほぼ日本全国を旅している。能登で放流されたフグが愛知県で漁獲された例もある。これほど長距離移動するふぐたちは、産卵時期にあたる春先から初夏にかけて能登にやってくる。砂地や岩場、藻場など多様な様相を見せる能登の海はちょうど産卵に適した場所なのかもしれない。産卵期に訪れるふぐからは白子や卵巣をたくさん採ることがでる。「ふぐの卵巣糠漬け」はこうした背景から生まれた伝統食といえる。

2015年度の輪島市の天然フグの漁獲量は440トンで全国トップ。「トラフグ、マフグ、ゴマフグなど種類は様々。1年中とれるが、産卵期の4月下旬~5月は岸に寄ってくるので、たいりゅう(大漁)だね」と舟見参事はいう。建設業のかたわら漁業もしている刀祢建設の刀祢利雄社長(69)も「これまでの最高は、うちの定置網だけで1日に30トンとれた。能登の海はフグの宝庫。産卵場所があるのかもしれん」と話す。

しかし不思議なことに、これまで地元では一夜干しにするくらいで、フグを食べる文化がほとんどなかった。「ブリ、カニ、アワビ……。ほかにも海の幸がいっぱいあるからかな」と同社長。フグは地元の冷凍処理業者などを通して、大阪や九州などに運ばれていたそうだ。しかし15年春に漁協が市内に水産加工処理施設を建設し、毒を処理した後の「身欠き」の出荷が可能になったこともあり、市では今春からフグを使って街おこしに乗り出した。



透き通るほど薄い、がふぐ刺しの身上


能登地域には産卵時期にとらふぐをはじめとして真ふぐ、ごまふぐ、しょうさいふぐ、しろさばふぐなど多様な天然ふぐが水揚げされる。白子を持つこれら天然ふぐたちの地産地消を進めることで地域活性化をめざし、能登ふぐ事業協同組合は活動を進めているという。

私の子供の頃からフグの一夜干しはあった。七輪の網の上に載せ、焦げないように焼く。これは美味、今でも名鉄エムザ地下食品売り場でフグの一夜干しを買い求め、輪島の味をかみしめている。

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