2017年4月12日水曜日

山の境界

「お前の名義で山を買った。買値は50万円、これから山へ行って境界を説明する。この石からまっすぐ上の段まで、山の下側は向こうの道と交差する位置が所有する境界だ」と現地で親父から説明を聞いて60年ほど経っただろうか。

当時、植林して20年ほどした杉林があって、その林の中でクヌギを1.2mほどに切りそろえシイタケの菌を植え付け4,50本並べた。ホダギと称して適度な湿度と空気の流れでシイタケが育った。
親父が亡くなって20年過ぎた。

もう30年ほども山に足を踏み入れていない。山は荒れ放題だろうなぁ・・・とは思うものの、実際実家に帰るのは年1,2回にとどまり、庭の手入れ、家の掃除で時間が過ぎてしまう。山の管理は放棄したと同然の状態である。親父が亡くなる2,3年前、バイパス計画の話があって家が支障移転しなければならないという。直ぐ話が進展するものと思っていたが、バブル崩壊と同時に塩漬けとなってしまった。

娘曰く「お父さん、能登の家はお父さんの代でケリを付けといて!」という。娘に相続することになれば本当に迷惑だろうなぁと思う。

能登の塩田が人気となっている。海水を砂の上に撒いて濃度を上げてそれを煮詰めるという製塩法であるが、最近は砂の上に撒かずに海水を直焚きして煮詰める製塩法が採用されているのだとか。
何でも、燃料は能登地方の廃屋が無尽蔵にあるので殆ど経費が不要で採算が合うという。
どんどん過疎化する能登。私の家もそのうち製塩に使われるかも知れない。


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