豪快！流氷を砕く砕氷船に乗って

オホーツク海からはるばる網走沿岸に流氷が押し寄せる季節となった。
だが、全国から流氷船観光ツアー客が網走に集まるが、近年、肝心の流氷が着岸どころかその姿さえ見ることが難しくなったという。
前日までぎっしり港まで埋め尽くしていた流氷が、夜明けまでに一切なくなっている場合もあるとか。
ツアー企画会社は、流氷が見られなかった場合は旅行代金の一部を返還しているとも聞く。

もう２０年も経ったが平成１０年３月、私は網走へ流氷を見に行った。
金沢からマイカーで名古屋空港（小牧）へ。そこから空路で槍ヶ岳上空、長野市、新潟小千谷、花巻、釧路を経て女満別空港まで。女満別から網走刑務所付近を通り網走に到着した。
気温は－１４°。慣れないせいか鼻水が止まらなくて困った思いをした。
あくる朝、砕氷船「おーろら号」に乗船するため網走港に向かった。
この日は網走港から遥か知床半島の島影までほぼ流氷に埋め尽くされていた。

知床半島までの大氷原

アシカが日向ぼっこ？

網走港を出港して間もなく、海面が消え砕氷船はバリバリと轟音を発し流氷を砕きながら進んだ。

遠くに船影が

やがて５０ｃｍくらいの分厚い氷を砕き始めた。観光客はデッキの上から身を乗り出して砕氷船の醍醐味を味わった。

「日本国内でこんな体験ができるなんて！」と感動の声が上がった。どこから来られたのか尋ねたところ、「四国からなんです」と。
私もその人に劣らないくらい感動したものである。

札幌支社長として３年間札幌に勤務した人が、「毎年網走に出かけたが流氷は一度も見ることができなかった」と言われたが、私は当然のように体験できたことが稀なのだと気づいた。
しかし、この醍醐味を一人でも多くの人に味わってほしいものだと願っている。