2017年1月9日月曜日

日本の砂浜が壊滅の危機

現在、日本全国の砂浜の浸食が激しくなっているという。代表的な砂丘である鳥取砂丘も自然的な砂の供給がなくなり、その対策に大わらわだったり、九十九里海岸では14の海水浴場が閉鎖になったり、天橋立の松林が連なった細い砂浜も浸食が進んでいるという。
全国的に稀な渚ドライブウェーとして有名な千里浜もその例外ではない。
原因は河川の砂防設備が整備されたことによるものである。
千里浜は大古の昔から近代に至るまで、手取川から自然的に供給された砂で出来上がった。
昭和43年に撮影した写真があるが、現在の状況と比較すると極端に違ったことがわかる。
現在の状況 幅は30m前後だという
昭和43年当時 幅70mはあったといわれる
手取ダムの完成や白山山系の砂防ダムが整備されたのは近年になってからである。
砂防設備が整備された
それらにより、手取川からの砂の供給が途絶えたのである。
この話を白峰のあるホテルの女将さんとしていた時、突然その女将さんが怒り出した。
「白峰は土砂災害の苦難と長い間苦闘してきた。地元の苦労も知らないでよくもそんなことが言える・・・」と。
そのとおりであるが、千里浜が浸食された原因がこれにあることを知ってもらいたかっただけである。
県はその対策として、人口リーフの離岸堤や砂を運搬して養浜工事を進めている。
養浜工事中
だが、昨年は波浪の影響でドライブウエーの閉鎖率が30%前後に上ったという。手取川から流れ出た砂が、風と潮流により千里浜まで運ばれて広い砂浜ができたのであるが、如何に自然の営みが大きかったかがわかる。
昨年の賑わい 心細い車道となった
砂像まつりが人気である
日本全国の砂浜のジレンマについて考察してみた。


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