2013年6月8日土曜日

青春時代の真ん中(その6)薬師岳頂上満天の星

昭和42年8月初旬、課で登山の体験談をしていたら、1年先輩から立山縦走をしないかと話が持ち上がった。1年後輩が一緒に行ってみようと私を誘った。登山計画によると、有峰湖から薬師岳に向かって登山開始、薬師岳頂上でテント宿営、そこから五色が原へ縦走しテント宿営、ザラ峠を経て室堂付近で宿営、最終日に剣岳に登って下山する3泊4日の壮大な縦走プランであった。
寝袋を貸してくれるという人があって、その気になり8月10日富山に向かった。
富山から富山地鉄に乗り換え終点からさらに有峰有料道路を経て有峰湖の折立登山口までバスに乗った。
登山ルート
登山計画の記録が残っていないので、45年前のおぼつかない記憶をたどることとする。
折立から太郎平に向かって登山を開始した。
リュックには4日分の食料と衣料品、飲料水がぎっしり詰め込まれており、1時間も歩くと息切れしたので荷を少しでも軽くするため飲料水を捨てた。登山を続けているうちに喉が渇いたが水場がなく飲料水を捨てたのが悔やまれた。
太郎平遠望(ネット検索データより)
午後5時過ぎ薬師岳頂上に到着し、テント設営を行った。雪渓から流れ出ていた小さな水の流れが日暮れと共に気温低下で凍結してしまった。
薬師岳頂上(ネット検索データより)
薬師岳頂上で
雲上でテント設営
夜の帳がすっかり降りて辺りは漆黒の闇に包まれた。
何気なく空を仰ぐと満天の星。星空がこんなにきれいなものなのかと感動した。


翌日早朝、五色が原に向かって出発した。
馬の背を行く

縦走道・足を滑らせれば一巻の終わり
10時間以上も歩いただろうか。ようやく五色が原テント宿営地に到着した。
五色が原テント宿営地・右前方が薬師岳
テント設営地
憩いのひととき・眼下に黒部湖が
 翌朝、外に出てみると昨日の晴天が嘘だったように小雨がぱらついてきた。急いで朝食を済ませてテントをたたみ室堂に向かって出発した。
佐々正成が越えたといわれるザラ峠にさしかかる頃、風雨が強くなって全身びしょ濡れになり、震えながら喘ぎながら峠を越した。
想定外の悪天候となったので、室堂でのテント宿営を断念、翌日の剣岳登山も中止と決定してバスに乗り帰路に就いた。
平成18年9月、再び室堂に立った
平成18年9月、バスツアーで室堂に訪れた。その地に立ち、往時の縦走が懐かしく蘇った。


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