2025年7月7日月曜日

祭の火ぶたが切って落とされた

20数名の若者がみこしを川に投げ込み、松明の火の粉をかぶりながら、力いっぱい橋げたに何回も何回もぶっ壊れるまで打ち付ける。まさに「あばれ祭り」である。
能登を代表する「あばれ祭」は、奥能登で最初に開催される夏祭りで、県の無形民俗文化財に指定されている。1日目のクライマックスは、宇出津港の波止場に勢揃いした高さ約6mの40数基のキリコが、燃え上がる大松明の周囲を火粉を浴びながら乱舞する。能登地方の数あるキリコ祭りのなかでも、最も迫力があり、壮大なシーンの一つとされている。

宇出津港の広場で火の粉を浴びながら乱舞
人生一度は見ておくべきクライマックスシーン

2日目には2基の神輿が加わり、海や川に投げ込まれ水攻めにされ、さらにクライマックスでは火の中へ放り込まれ、火攻めにされて原形が無くなるまでに壊される。あばれ祭の始まりは、約350年前にこの地で猛威をふるった疫病の退散祈願が由来とされ、その様には鬼気迫るものがある。

神輿が壊れるほど神様がお喜びになるという

川に飛び込み火の粉を浴びながら徹底的にみこしをこわす
昨年は地震の影響による人手不足でキリコを出せなかった仙人町と横町は、県内外から駆け付けた「助っ人」を得て担ぎ手を確保した。住民は2年ぶりに担ぎ出されたキリコを眺め、復活を喜んだ。

仙人町町内会の室谷幸雄会長(75)によると、2年連続で巡行できなければ住民の士気が下がり、今後の継続が難しくなると懸念していた。そのため、全国で祭り支援に取り組む一般社団法人「マツリズム」(東京)を通じて12人の参加者を確保した。室谷さんは「キリコを出せてうれしかった」と笑顔を浮かべた。
石川県が創設したボランティア「祭りお助け隊」に登録した13人が加わったのは横町。そのうちの一人で、震災支援で輪島市に派遣されている静岡市職員の松本和也さん(40)は「祭りの魅力を体感でき、一生の思い出になった」と声を弾ませた。

これから4カ月にかけて、奥能登の集落ごとの祭りが行われる。在所の神輿を担いだことがあるが、キリコより少人数なのでそれはそれはきつかった。

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