ドラマや旅の番組を見ていると、数年前までは考えられなかったシーンが映し出される。それは「ドローン」に搭載したカメラで撮影されたものである。
カメラの性能がとても高くなって精緻な画面が映し出されている。
そのドローンも進歩が目覚ましい。
人を乗せて空を移動する有人ドローンは、未来の交通手段として研究開発が進んでいる。スウェーデン在住のエンジニアであるAxel Borg氏は、長年の研究開発の結果、72個のプロペラで空を飛ぶというなんとも奇抜な一人乗りドローン「chAIR」を一人で開発し、密かに注目を集めている。
ドローンの操縦席 |
Borg氏はこれまで、“amazingDIYprojects” というハンドル名で個人で取り組んでいる有人ドローンの開発状況を、7年間にわたりオンラインへ公開してきた。クワッド(4つのプロペラ)スタイルをベースに試行錯誤を重ね、最初の作品から20機目で、人を乗せて飛ばすことに成功している。その時は、縦長のローターを左右に配置するというデザインだったが、そのあとなにかがひらめいたのか、最新作では72個のプロペラを使って安定飛行を実現させるアイデアを思いついたようだ。
自転車並みのスピードで空中散歩ができる |
そうして出来上がった試作品は、離着陸も含めて安定して人を乗せて飛ばせるパワーとバランスを備えた機体に仕上がった。1つの輪の中に18個のプロペラを配置した大型のプロペラを4つ取り付け、動力をオンにすると、それが羽のようにふわりと浮き上がり、そのままゆっくり空へと浮かびあがる。そのあとは3〜4mほどの高さを、自転車ぐらいのスピードで飛び回ることができる。試乗の様子を紹介したビデオは、スウェーデンの豊かな森の中で撮影されているのもあってか、まるでジブリアニメに登場する虫をモデルにした飛行機械のようにも見える。
問題は飛行時間の制約である。
8分間の飛行でバッテリーを57%消費するので、理論的には14分間連続飛行が可能ということだ。パーツは取り外しが可能で、全体の製作コストは約1万ドル(120万円)と、軽自動車と同程度に抑えられている。
開発者のAxel Borg氏 |
ただし、移動手段として使う場合は最低40分から90分の飛行時間が必要で、そのためのバッテリー容量を考えると、現在の自身が持つ技術で開発できることは限界があるとしている。
120万円でこのドローンを購入しても、国内では航空法の規制で地上1m以上を飛ぶ物体は制限されるだろうから残念ながら飛べない。
一方、ヘリと変わらない1人乗りドローンも既に完成している。
この有人ドローンは地上から100mくらいまで上がれるようだ |
このドローンもバッテリーの容量で飛行時間が20~30分に限定されるという。いかにして大容量のバッテリーを小型化できるかが焦点である。
あのライト兄弟でも思いつかなかったドローンという代物。どんな製品ができるのか楽しみだ。
あのライト兄弟でも思いつかなかったドローンという代物。どんな製品ができるのか楽しみだ。
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