石川県は北陸地方の中部に位置し、日本海に突出しているのが能登半島です。南は全国有数の温泉地やモノづくりが盛んな加賀地域、北は世界農業遺産に認定されている能登地域、中央には歴史の面影を残す加賀百万石の城下町を有しています。縦に長い地形のため、海や山を身近に感じることができ、また北陸新幹線の開業で東京にも約2時間半でアクセスでき、近代的な街づくりも進んでいます。
石川県は幸福度ランキング全国3位、魅力度ランキングでも9位に選ばれました。有効求人倍率も1.5倍以上の全国8位。全国学力テスト、女性就業率は全国第1位、保育所整備率も全国上位であり、子育て環境もとても充実しています。
と、石川県の地理や産業、それに幸福度や魅力度というランキングが上位であること、求人倍率が全国8位ということ、それに全国学力テストが全国1位と紹介している。
で、この学力1位について調べてみた。
11年前から実施 |
石川県はこの学力テストで常時上位にランクされていたものの、惜しくも秋田にトップの座を譲っていたのだが、今年初めてトップに輝いたのである。福井、富山もこれに続いており、北陸地方は成績優秀エリアなのである。
ある関係者の話
全国1位、これは教育に携わる県内全ての関係者が得た勲章だ。学校だけでなく、民間の塾や家庭教育を行う父母を含め、子どもの教育環境が極めて良好であることが示されているからである。
特に県教委が2009年度に設置した「学力向上プログラム推進チーム」で、現場の教員と金大の研究者が学力テストの結果を詳細に分析し、授業に反映させる取り組みが大きかった。例えば学力テストを「教育活動改善に活用した」と答えた小学校が全国平均の46・2%をはるかに上回る85・1%に達している。この積極性が好成績の原動力になったのだろう。
テストの点数が振るわないのは、子どものせいではない。子どもが置かれた教育環境にこそ原因がある。学校現場で効果的な授業が行われているのか。不十分であるなら、どこに問題があり、学力を上げるためにどこを改善すべきか。全国学力テストの真の目的は、そうした問題点をあぶり出し、授業に生かすところにある。
テストで好成績を取ると、「テスト対策をしたおかげだ」と冷や水を浴びせるような声が聞こえてくる。一部の教育関係者は「点数アップが自己目的化する」などと批判するが、全く的外れな指摘である。テストで良い点を取ろうと勉学に励む子どもをしかる教師がどこにいるのか。
今回も過去問題を授業で解くなどの対策を実施するよう、県教委が指示を出していたとの通報が文科省にあったという。正規の授業をせずに、テスト対策に血道を上げるような事態なら問題だが、過去問題の解き方を授業で教え、学力向上に役立てる程度ならば、悪くいう理由が分からない。
50年も前の学力調査では、成績不振者を試験当日、休ませる事例があったとされる。今の時代にそんな乱暴な行為が横行すると思えず、心配には及ばない。
前年までトップだった秋田県のアンケートから |
上位は東京都や奈良県、神奈川県など有名私立進学校があるところばかりで、「ほぼ公立校だけで上位に食い込んでいる」のが北陸三県の特徴です。
続いて子どもたちの家庭環境を見てみよう。父子・母子家庭数は富山県が全国で最も少なく、子育て世帯100世帯あたり5.10世帯。これに続くのが福井県で5.15世帯。石川県も5.59世帯で下から10番目と少なめである。
子育て世帯年収は福井県が東京都に続く2位で787.3万円。富山県が5位で746.6万円、石川県が6位で743.9万円。
世帯年収が高い分、子育て世帯の相対的貧困率が低く、富山県が全国で最も低い7.09%、これに続いて低いのが石川県で7.22%、福井県も7.48%で4番目に低くなっている。もちろん学校給食費滞納率も低く、富山県が0.255%で全国最低、福井県も石川県も下から10県に入っていて、北陸三県の子どもたちは金銭的に豊かな環境で育っているのだ。
こうした諸々の要因がかみ合って「石川県全国ナンバーワン」となった。県民の一人としてこの快挙を心から祝福したい!
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