2018年3月9日金曜日

内灘の貝採り

昨日は内灘から見える立山について記した。そんなことで、内灘に関わる思い出が脳裏をかすめた。
高校生の頃、親父が私にこんな話をした。
「ある人から土地を買えと勧められた。場所は内灘で、坪単価30円やと。現地は砂丘、そんな所を買ってもしょうがないやろ」と。

6月14日は高校が休みだった。前田利家公金沢入城を記念した百万石祭りの日である。市立の高校であったので、高校で唯一休校日であった。
1年生だった当日、友人と内灘へ行くことになった。浅電に乗って終点内灘駅で降りた。
そこから畑地を通り、鉄板道路に入った。鉄板はスリップ防止のため径10cmくらいの穴が明けられていた。

内灘駅
電車到着
鉄板道路のイメージ
最も高い所から水際まではかなり距離があった。見慣れないかまぼこ型の施設が点在していたので、あれは何?と聞いたら「弾薬庫や」と教えてくれた。
その時、ここは試射場だったことを知ったのである。

ここへ来た目的は、アサリ採りだった。6月14日はまだ海水浴には早すぎで寒い。海に入りヘソまで浸かって足で貝を探るのである。寒さにめげず「ツイスト」を続け、随分たくさん採ることができた。空き缶を拾ってアサリを入れて火にかけると煮あがった。
あの味は忘れられない。

この図面で採取場所は砲座付近の海岸だろうと推察できる
内灘試射場と入力して検索すると膨大な資料が表示される。それを見ると、まだ施設が残っている物があるという。

射撃指揮所の建物

そして内灘闘争の写真があった。



内灘の現在は金沢のベッドタウンとして住宅地が広がり、医科大も大規模になって風力発電やサンセットブリッジが整備され、親父が土地購入を勧められた頃と一変している。
何十年か経ったある日、親父曰く、「あの時、内灘の土地に2,3百万円投資しておけば一財産できたなぁ」と。



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