2019年7月11日木曜日

最終的には人間の口に入るプラごみという厄介者

先ずストローを紙製品に変えようという取り組みが始まった。海洋汚染が深刻な状況になっているという。県内の海浜は冬場の強風にあおられて、ハングル文字のプラスチック製品が膨大なボリュームで海岸に打ち上げられてごみの山となる。奈良公園の鹿がレジ袋を食べ、腸閉塞を起こして死ぬケースが増えているともいう。そんな中、小学5年生が大野川で海に流れ出るプラスチックごみの採取調査を行った。

「川にプラごみ 生き物心配 大野川河口近くで児童調査」

海に流れ出るプラスチックごみの採取調査が十日、金沢市大野町の大野川であった。微小片を水中で回収できる新たな装置を使い、地元の大野町小学校五年生二十六人も参加。普段見えない汚染の実態や多くの生き物がすむ現状を目で確認し、自然環境への影響を心配していた。

水中から引き揚げられるプラスチックごみの回収装置=いずれも金沢市大野町の大野川で
浮遊微細物を含む水の入ったケースを見つめる児童ら
調査は能登里海教育研究所(能登町)が、新装置「アルバトロス」を開発した株式会社・一般社団法人「ピリカ」(東京都)と協力してスタート。この装置は細かい編み目のネットでプラごみを回収できる。県内で採取に使われるのは初めてで、学校教育の場での使用は全国初という。

調査では、河口に近い「みなと橋」の上から装置を水中に下ろして三分間、浮遊微細物を回収。それを顕微鏡で確認すると、児童らは身を乗り出して拡大モニターをのぞき込んだ。
研究所の能丸(のうまる)恵理子さん(39)は「この黒い影がプラスチックの破片だと思います。大きさは〇・五ミリくらい。これだけ小さいと、ごみ拾いしようにも拾えないよね」と語り掛けた。くしくも、川の中を映し出すため使用した水中ドローンのスクリューに、おにぎりの包装フィルムのごみが絡まり、動かなくなるトラブルも起きた。

一方、顕微鏡で貝やカニの幼生など生き物が見えると歓声が上がった。尾張颯真(そうま)君(10)は「川は濁っているのに、生き物がいっぱいいた。プラスチックごみが多いと、生き物たちがかわいそう。ポスターを張るとかして捨てる人がいないようにしたい」と話した。

付近は淡水と海水が混じる汽水域。長谷彩羽(はせいろは)さん(11)は「プラスチックごみが波に打たれて小さくなっていた。普通は気づかないごみや生き物が見えた」と驚いていた。
集めたごみは、研究所がピリカと成分などを調べる予定。河川での調査は、世界の海で深刻化するプラごみの流出経路を明らかにし、対策を講じるのに役立つという。
プラスチックの吹きだまり
海のプラスチック汚染は1970年代、学術雑誌に初めて報告され、90年代前半に東海大学教授(海洋物理学)の久保田雅久がハワイ諸島周辺をはじめ北太平洋の中緯度に巨大なごみの集積海域があることを裏付けるシミュレーションを発表した。これが「太平洋ごみベルト」の名で世界的に知られるようになった。海上の風や地球の自転に影響される大きな海洋の循環によって、地球には浮遊物が集まってくる海域が5カ所ある。ハワイ周辺はその一つだ。 

ハワイ諸島の海岸に打ち寄せたプラごみ
ハワイ島にたどり着くごみの多くは数年から10年ほどかけて中国や日本、韓国などの東アジア諸国からやって来たものだと推定されている。東日本大震災の後には東北地方からとみられる冷蔵庫のドアや船の一部などが打ち上げられたのが確認されている。

こうした海洋ごみのなかで、近年国際的な注目を集めるようになったのが「マイクロプラスチック」と呼ばれる直径5ミリ以下のプラスチック片による海洋汚染だ。プラスチックは、漂流するうちに紫外線や風波、魚がかじることなどによって細片化されていく。


調査によると、すでにマイクロプラスチックが入っている魚が確認されている。最終的にそういった汚染された魚たちを食べるのが人間という訳だ。自分たちが捨てた有害物質を最終的に自分たちが食べるという最悪のオチなのだ。


0 件のコメント: