すき焼き鍋に入れる肉は決まって鯨肉だった。牛肉なんていうもんは食べたことがなかった。肉と云えば鯨肉だったのである。上に黒い線のようなものが入っていて、真っ白いぶよぶよとしたものも鯨肉で、酢味噌にあえて食べたが決して美味しいと思えるしろものではなかった。
そんな思い出が残る鯨肉であるが、朝刊では日本がIWC脱退とでかでかと記事が掲載された。
日本は、商業捕鯨の再開に向けて国際捕鯨委員会(IWC)を脱退すると発表した。
これをうけて、反捕鯨国のオーストラリアとニュージーランド、「失望した」と批判して、日本のIWC復帰をもとめているという。
日本は調査捕鯨の結果、クジラの資源が回復しているとして、IWCで商業捕鯨の再開を20回以上、提案したが反捕鯨国の強い反対で、今も認められていない。
オーストラリアなどが「いかなる形でもクジラを殺傷すべきでない」と言って、商業捕鯨の再開に強硬に反対している。
日本は、このままIWCにとどまっていても、再開への見通しは暗いと判断したためだという。
日本がなぜ捕鯨をするのか?その理由は?
日本はクジラを食べなくてはならないほど、食糧難の国ではない。ではなせ、捕鯨を続けているのか?
●捕鯨は日本の伝統文化に基づくもので、日本の漁師は何百年にもわたってクジラを捕獲してきたし、何を食べていいか悪いかを外国人に指図されるいわれはない。(ちょっと言い過ぎのようにも思うが)
●沿岸捕鯨は日本文化の一部
●調査するには毎年何百ものクジラを殺さなくてはならない
●捕鯨計画はICJ(国際司法裁判所)の要求を満たしている
●クジラ肉を食べて育った年代には懐かしい味である(そうかな?)
●高級肉として販売できる(こじつけでは?)
●重要な政治的理由がある
日本人の食料としてのクジラの消費量は極僅かで、クジラ肉を販売している関係者でも、クジラをたべることに、必要性は感じていないようなのだ。
子供の頃は20万トン!現在はゼロに近い数字 |
全年代の大多数の人間が食べたことがあるという |
また、他国の捕鯨は沿岸で行われているのに対し、日本は調査として南極まで行って捕鯨し、母船まで持っている。そしてこの調査費用は、国民の税金から支払われている。
市場では残念なことに、ワシントン条約で取引が禁止されている絶滅危惧種のナガスクジラの肉が並んでいることもあるという。
結局、捕鯨を続ける大きな問題は、政治的なことのようなのだ。
今まで何も不自由していなかった鯨肉、何で脱退なんてするのだろう?
しかし、ペリーが開港を迫った理由の一つが捕鯨船に燃料・食料を供給するということだった。アメリカは世界一の捕鯨国として2世紀に亘り世界に君臨してきた。その国が捕鯨するなと声高に叫んでいる。自分が獲り過ぎていたくせにだ。
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