2017年12月22日金曜日

写真のようで写真ではない”絵”

自動車のフロント部分の写真に眼が止まった。車種は何だろうと興味がわいた。そのうち、それは写真ではなく絵なのだという説明書きに驚いた。それも鉛筆で書いたものだという。エエッ、ほんとにー!
鉛筆で金属の質感を表現できる画家はどんな人なんだろうと探求心が盛り上がった。


この絵を描いた人って一体どんな人?と調べてみた。
その人は大森浩平さん(23)という青年だった。

もともと趣味だった鉛筆画を独学で描いているのだという。「メンタルなどの問題で大学卒業も社会進出もままならず、唯一できる写実鉛筆画を極めようとしています」と話している。また、「そろそろ将来のことを本気で考えないといけなのですが…」とも。
要するに「引きこもり」or「ニート」と云われる分類に属するのかも知れない。

そんな人物が鉛筆画に没頭するようになったのは約4年前。きっかけは「幼い頃から兄が描く絵に負けるのが悔しくて…。その甲斐もあって昔から絵は得意でした。大学入試に備えてデッサンを少し勉強したのと、SNSで見た海外のハイレベルな写実画に憧れたのをきっかけに写実的な絵を描きたいと思うようになりました」と話してる。


作品はすべて鉛筆のみで描かれている。なぜそこまで鉛筆にこだわるのか?「絵具など色を使えば作品の幅は広がると思います。しかし、誰もが使ったことのある身近な鉛筆のほうが、なにをしているか伝えやすいと考えています。白と黒との明暗だけなので、ディテールに集中して描けるというのも理由です」とのこと。

記事によると、コツはと聞くと、「どんな物を描くかに関係なく『紙の一部分だけに集中して忠実に描く』。それを広げていくように描いてます。ごく一部分では難しいことはしてないので、忍耐と時間ですね。あと僕の場合は神経質を逆手にとってるってのが大きいです」と話しているという


髪の毛1本々々。モノクロだが深紅の口紅が見えるような錯覚を覚える。忍耐と時間と神経質な性格が素晴らしい作品を生み出している。
そんな彼は、パソコンの画面を見ながら鉛筆を動かしているという。
若干23歳。これからどんな絵を描いてくれるのか楽しみである。

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