2019年5月18日土曜日

ちょっとじゃなくて凄くいい話

那覇市のモノレールがやがて那覇空港に到着する頃、男子高校生が困り切った態度をしていたのを見て、「君、どうしたんだ」とある老人が声をかけた。
「伯父の葬儀で与那国島へ行くのですけど、財布が見当たらなくて」
「いくら入っていた?」
「6万円です」

「そんならこれ使えよ」と財布から6万円取りだして高校生に渡した。

飛行機の出発時間が迫っていたので急いでモノレールを降りて空港に向かった。
飛行時に乗って落ち着いた高校生が、あれっ、6万円を貸してくれた人の名を聞くのを忘れた!と気付いた。

沖縄工業高校2年崎元颯馬君
「借りたお金を返しお礼したい」という思いが強く、どうにかして親切を受けた男性を探したいと、地元紙に投稿した。
「親しかったおじの納骨に立ち会えた。本当に感謝している」と。
奥さんが沖縄出身なので埼玉県在住の男性がたまたま沖縄に行った際、この新聞投稿を眼にして新聞社に連絡したという。
男性は埼玉県の医師、猪野屋博さんで、地元紙の報道などを通じて崎元さんが探しているのを知り、10日、高校に連絡したという。



猪野屋医師はRBCの取材に対し次のように話した。
「探していたと聞いて涙が出ました。本当に沖縄の人はやさしい・・・・・」と。
猪野屋さんは今月、沖縄を訪れる予定で、崎元さんはその際に借りた6万円を返却したいという。この話、高校生も立派だが困った姿を見て6万円をポンと渡した男気に魅了された。
自分がもしこのモノレールに乗り合わせていたら、猪野屋医師のように6万円を高校生に渡したか?最も、財布の中身は旅行中でも2万円位しかないのだが。それを全部取りだして「これ使って」と渡せるか。恐らく見て見んふりをしただろう。

探そうと努力した高校生も立派、6万円も名前も聞かずにポンと渡した気前良さの猪野屋さん、本当に素晴らしい人たちがいるということを知って心が温まった。

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