ある人曰く、65歳以上の高齢者に於いて、最も健康寿命を短縮する原因のひとつが肺炎だという。多種多様な抗生物質が使用され肺炎は治って当然と一般では考えられているが、肺炎に罹患すると重症度にもよるが、高齢者の多くは入院することになる。すると1~2週間臥床することになり、足腰の筋力が明らかに低下することで日常生活動作がしにくくなる。動きが悪くなることで心身の機能が低下し、徐々に寝たきりに近づいて行くのである。さらに嚥下機能(食べ物を飲み込む力)も低下していくことで、誤嚥性肺炎を繰り返すようになっていき、また入院→以下繰り返し、の悪循環となる。
ということで肺炎は非常にやっかいな病気なのだが、意識調査では国民の大多数が最も罹患すると困ると心配している病気は、1位:悪性腫瘍、2位:脳卒中、3位:虚血性心疾患となっており、肺炎は遥かに下位であるという。75歳以上の高齢者の死因の1位でもあるので、この辺りの意識も国を挙げて啓発が必要なのかもしれないのだ。
ちなみに肺炎により入院すると、1日当たりの入院費用48506円×平均入院期間14.6日=総額708189円となり3割負担で212,457円かかるとされているという。
また入院により認知症発症のリスクが2倍に上昇することも明らかになっている。なので肺炎になるリスクを下げる必要があると考えられるようになるのは至極当然の事である。
上のグラフから分かる通り、統計でも75歳以上になると明らかに肺炎の罹患率が増加し、年齢を重ねるごとにさらに増加することが明らかになっている。
さらに慢性閉塞性肺疾患(COPD)・気管支喘息と言った慢性呼吸器疾患の合併がある方では罹患率が4~6倍、慢性心不全や虚血性心疾患などの循環器疾患では3.8倍、糖尿病では2.8倍となることが分かっているという。以上のことから、健康寿命短縮のまず最初の原因として多い肺炎を予防する重要性が御理解頂けたと思う。
そのための肺炎球菌ワクチンということになるのである。
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