能登半島地震で被災した住民らが避難する輪島市や能登町の小中学校に12日、断熱性や遮音性に優れ、短時間で完成するウレタン製の簡易住宅「インスタントハウス」が設営された。長期化が懸念される避難生活を快適に過ごしてほしいと願いが込められている。
インスタントハウスは名古屋工業大の北川啓介教授(49)が2011年の東日本大震災を機に始めた研究を基に「LIFULL ArchiTech(ライフル アーキテック)」(東京都)が開発した。
テントシートを空気で膨らませて、内側に断熱性のあるウレタン材を吹き付ける工法で、1棟当たり3~4時間で完成する。パーツを分解して、最短1時間で組み立てられる「パージ型」も開発した。
輪島中はインスタントハウス3棟が設置された。住宅は直径5メートル、床面積は20平方メートル、高さは最大4・3メートル。45度の傾斜をつけた屋根は風の影響をうけにくく、雪も積もりづらい。避難所で生活する教員の女性(35)は「寒さもしのげるので避難所よりも負担は減ると思う。本当におうちみたい」と喜んだ。
簡易住宅は断熱性に優れているため、人が入るだけで体温によって室温を7度ほど上げることができる。北川教授は、談話室や休憩室として利用し「体も心も温めてほしい」と願う。
能登町の鵜川小学校では代表取締役COOの幸田泰尚さん(43)らが同社の親会社が町に寄贈したパージ型など2棟を設営。パージ型は大人4人が寝られる広さがあり、子どもたちは厚さ10センチの壁を触ったり、大声を出したりと思いっきり動き回った。避難所では女性の休憩所や子どもの遊び場として活用する予定。幸田さんは「被災者の救いになれるのでは。必要な所に供給していきたい」と語る。
クウネルだけ避難所に元気が戻るといい。
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