山田選手が背泳ぎしている中継も見たが、泳げるのが不思議に思える障がい者であるのに、訓練に訓練を重ねた成果を発揮した。表彰台の山田選手の笑顔を見てつい感動極まり涙が滲んだ。
5歳で水泳を始めたという。水泳教室の野田文江コーチ(79)の「障害があっても体は浮いてくるから大丈夫」との言葉に、素直にうなずいた。水を怖がるどころか、進んで水中に入り、健常の子も尻込みする深さ3メートルのプールに勢いよく飛び込んだ。
「水の仕組みを頭で理解しているから怖くない。度胸の良さ、課題を乗り越える力など、私らの想像を超える何かを持っている」と野田コーチはいう。
昨年、障害の判定の結果、より重いクラスに変更になった。今大会のこのクラスには得意の自由形がないため、嫌いだった背泳ぎに本格的に挑戦。苦手な腹筋運動にも取り組み、ロープで体に結んだ重さ3キロの排水溝のふたを引いて泳ぐことでキック力を強化した。
並外れた脚力を見せつけた |
2019年、父の一偉さんをがんで亡くした。「パパは、ちっちゃい頃からカッパだったんだよ」と冗談めかしつつ、娘が水泳に集中できるよう応援してくれる優しい父だった。
レース後、父に伝えたいことを尋ねられると、声を詰まらせてこう答えた。「『頑張りました。私もカッパになりました』って伝えたい」
レース後、父に伝えたいことを尋ねられると、声を詰まらせてこう答えた。「『頑張りました。私もカッパになりました』って伝えたい」
ゴールして銀メダリストの微笑み |
バッハ会長から手渡しされた |
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