小学3年生か4年生頃だった。学校に何本かのドラム缶が届いた。ドラム缶の表面は数行の英語が書かれていた。進駐軍からの贈り物だった。中身は脱脂粉乳。小使い室前の炊事場に大きな釜が据え付けられ、脱脂粉乳を溶かして温められた。全学年の当番がそれを大きめの鍋にいれて教室へ運んだ。それぞれが家から茶碗を持ってきて当番がそれに入れた。味はしないので家から砂糖を持ってきてスプーンに入れかき混ぜた。これは大好きだったので毎日の給食時間が待ち遠しかった。
大人になってアメリカという国の素晴らしさを知るようになった。日本からアメリカに憧れて多くの若者が渡米した。自由の国、人種差別のない国、科学、文化の最先端を歩む国。そんなイメージを4年前まで持ち続けていた。そんなイメージが見事に砕け散った。「アメリカファースト」を唱える大統領によって、アメリカ国内のみならず、世界が分断されてしまった。現在、トランプとバイデンが接戦中だが、少なくとも半数以上のアメリカ国民はアメリカファーストを唱えるトランプを崇拝するトランプ教に染まってしまった。
毎日、たった1杯だったが、多くの少年少女(自分と同世代)たちが栄養失調から脱した |
しかし、吾が国内でもトランプ崇拝者が何人もおられる。木村太郎氏などが代表者格だろう。子どもの頃のアメリカのイメージはもうあり得ない国になってしまったのだろうか。
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