時国家のルーツは平時忠だが、この時忠についてもう少し触れよう。
この人は800年前に能登に流された「大納言・平時忠 ・・・平清盛の義弟」と記したが、その流配先は曽々木から海岸線に沿って10km北上すると、珠洲市大谷地区に至る。
そこから飯田につながる横断道路の分岐点から峠を1,2km登ると、右側に時忠卿一族の墓がある。
この地域は則貞地内というのだが、この則貞という地名は時忠の身の回りの世話人として源氏の監視をかいくぐってここへ来た、家臣の1人で12世帯の一族が今も居住している。
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時忠卿の墓 |
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家臣一族の家 時国家の家紋「揚羽蝶」を誇示している |
かつて、大谷から飯田へ単車に乗って行ったことがある。そのころは二十歳そこそこだったため、平家云々に余り関心が無かったので、折角通りながら通過してしまった。この峠も10年程前くらいにループ線とトンネルが新設されて、様子が違ってしまったようである。しかし、今もなお家臣一族が墓守しているとは驚きの他の何物でも無い。
さて、本題の時国家に戻そう。
邸宅は大庄屋屋敷として公用部分と私用部分を分割した構造で、公用部分の中心に大納言格式を示す「縁金折上格天井」の「大納言の間(別名 御前の間)」を配している。広間の襖には、家紋でもある平家定紋の「丸に揚羽蝶」を金箔で描いて連ねている。 座敷の境上部には両面彫りの欄間を飾り、御前の間の欄間は蜃気楼を描いた珍しいものである。
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大納言の部屋 |
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前田の殿様が遠慮して入室されないので天井に紙を貼って入って貰ったという逸話がある |
この部屋の欄間が超豪華な作りとなっている。
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蜃気楼を表している彫刻 |
時国家あたりから海が望めるのだが、海の水平線上に七つの島が見える。この七ツ島が気象条件で蜃気楼が発生するという。(自分は見たことがない)島が浮いたように見える様子を欄間に彫ったという。
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欄間の一部「大ハマグリ」 |
長くなるので今日はこれまでとしよう。(つづく)
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