2017年11月9日木曜日

国後の島影

5日5時起床、6時東インターに入り6時30分小松空港に到着。4日間の道東ツアーの開始である。20年ぶりの北海道、前回は網走の流氷、北大構内のクラーク像、小樽運河、函館夜景等を観光したが、今回は知床、十勝、釧路、摩周湖、阿寒湖方面の観光である。

小松から羽田経由で千歳までの空路。いつも思うのだが、羽田空港の乗降場口間の移動距離が端から端まで離れており非常に疲れる。どうして小松便の発着は端なのかなぁ。
前回は小牧から女満別だったが、地方の空港はその点は非常に楽である。
羽田から1時間半で千歳に到着する。防寒万全にして千歳に降り立ったのだが、北海道というのにそんなに寒くは感じなかった。

4日間のバス移動距離は1100kmに及ぶ。北海道の道路は、線形は直線が基本で交通量も少ない。そしてまた、道東自動車道が釧路まで伸びて利便性が高まったお陰で短時間で遠方までの移動が可能となった。「均衡ある国土の発展」という言葉を呪文のように唱えて熊しかいないといわれた地域まで整備に注力したのだが、北海道の道路骨格の基軸が完成したその効果を満喫することができたのである。鈴木宗男と松山千春の出身地にもバスが通過したが、道東の開発は彼らの功績によることが大きいのだろう。

4日間、朝晩は温泉三昧、島エビと特大のホタテ料理の昼食、ズワイガニ食べ放題のバイキング等でついつい食べ過ぎ、2kgもの減量が急がれる。
ツアー参加者は福井・石川で36名と富山46名の2グループ。年齢層は80代前後の夫婦が主。北海道はこれで5回目という強者夫婦も何組かあった。北海道はそれだけ人を引き付ける魅力があるということだろう。

千歳空港から自動車道に入ると、北海道の雄大な景色が続くが、夕張付近から山岳地帯に入り長大トンネルが連続する。やがて十勝平野に入ると広大な農園や牧場が続く。150年前に全国各地から開拓団が入植し苦労の連続で今の風景ができたのである。だが、過疎化は北海道にもあった。朽ち果てた家屋が散見された。

富士五湖の観光客に外国人が多いのに驚いたものだったが、北海道にも中国・台湾の観光客が押し寄せている。レストランでは半数以上が外国人であった。

十勝の日の出
 初日の宿泊は十勝幕別温泉のホテル。眼下に十勝市の灯りを見ながらの露天風呂は爽快であった。
翌日はホテルから20分ほどの幸福の駅へ。ここに訪れる観光客は絶えないのだとか。
ここにはもう列車は来ない
幸せを願う人が如何に多いか
次に向かったのは釧路湿原展望台へ。
湿原のほんの一部が見える
展望台は立派な施設
そこから釧路川河口付近に位置する釧路フィッシャーマンズワープに向かい、昼食タイムとなった。昼食は各自好きなところでということで、「湿原ラーメン」にした。昆布を細く刻んで湿原に見立てたラーメンで、美味であった。
昼食を終え、知床半島ウトロ温泉に向かった。
オホーツクの夕焼けをお楽しみというキャッチフレーズであったが、知床の日没が4時3分とかでバス到着は4時半を回って薄暗くなってしまった。

夕日に染まる斜里岳
3日目は知床五湖へ。急な坂道を走行中に川のほとりに熊、道端にエゾシカ、北狐に遭遇した。
道路横断で事故を起こす場合もあるとか
30分くらいで知床五湖入口に到着した。
延々と通路が続く
歩道の先端に湖があった
「天に続く道」なんだそうな
知床半島最大の滝「オシンコシンの滝」を見物してから野付半島に向かった。
国後の島影
野付半島は砂嘴(さし)と称される地形で、天橋立の地形と同じだというが、ここはそのスケールがけた違いに大きい。馬車ならぬラフターカーに乗り歩道入口で下車した。
奇妙な形をした野付半島

ここも歩道が整備されている
何とも不思議な風景である
この海岸から国後まで16kmだという。見えるのに遠い島となっている。北方領土の返還はいつなんだろう。戦後のどさくさに紛れて占領された。国連軍は8月15日以降のソ連軍侵攻を同意していたのだとか。戦勝国と敗戦国の立場だから、しようがなかったと云えるが、6万人以上もシベリアに連行されたり、満州の略奪等々、腹立たしい限りではある。

夕暮れ近くに摩周湖に到着した。霧の摩周湖と言われるだけあって、ほとんど毎日のように霧が立ち込め、全容を見ることは難しいといわれる摩周湖。だが、我々の眼前の摩周湖は「スッポンポン」の状態であった。

布施明の歌を歌いたくなった
摩周湖から峠越えで阿寒湖畔のホテルに到着した。
夜9時、アイヌ民族芸能を鑑賞した。
民族芸能劇場
楽器や歌、観客を巻き込んだ踊りなど約30分間のショーであった。昭和30年中学1年生の頃、マリモを持ってアイヌ民族一行(約10人ほどだったか)が芸能を見せてくれた記憶がある。紺色に染めた質素な着物に身を包み、顔には入れ墨があった。だが、ここのショーは金ぴかの衣装、踊りも現代風にアレンジしてしまったようで、本物ではないと感じたのだが・・・。
翌日、千歳空港に向かった。
阿寒湖の佇まい
土産物屋の隣の広場
12時過ぎ、千歳空港に到着し1100kmに及ぶバスツアーが終わった。
フライトまでの待ち時間は空港内レストランで食事、買い物等を楽しんで無事小松に到着した。

千歳空港の建物もでかい
北海道は昨年の台風で洪水や倒木被害を受け、今年も追い打ちにあったという。道東自動車道の沿道風景も倒木が多く残されていた。農作物の被害もまだまだ影響があるという。
1日も早い復旧を願って、ペンを置くことにしよう。


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