2021年10月20日水曜日

100年前の難破船団? 

異様な写真を見た。長年月に亘り風雨に晒され、壊れた船の集団だった。記事を見ると場所は日本軍玉砕の地、硫黄島だと知った。

はて、これはなに?
硫黄島は東京から約1000km南にあるが、この海域の火山活動が活発になっているという。西ノ島もどんどん大きくなっているようだ。
で、この船の残骸は、米軍が港の防波堤を築造する前段工事で、船を沈めて埋め立てる予定だったが、状況の変化で中止された。それが、火山活動の地殻変動で隆起して沈めた船が姿を現したという。


こうした現象はあちらこちらで起きているという。島の北西端に「釜岩」と呼ばれる岩がある。現在は岬の先端にあるが、戦前は島の海岸線から約1キロ離れた沖合にあったというから驚きだ。旧島民の話しによると、「1年に1メートル近く隆起しているところもある」という。

日本列島に110の火山があるという。その中で最も活発に活動しているのが硫黄島周辺の海域だそうだ。
こうした火山活動の影響もあり、旧島民の帰島は認められていないという。旧島民の男性は「今でも1日も早く島に帰りたい。小笠原や沖縄は日本に返還されたが、硫黄島には帰れない。私たちの戦後はまだ終わっていない」と力を込める。

全域に多数の戦跡を残しながら、変貌を遂げ続ける硫黄島。激戦を闘った日米両軍の関係者だけでなく、ここで暮らした島民たちの思いは、70年たった今も島に注がれている。
島に帰れない人は北方領土だけではなかった。

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