2021年3月15日月曜日

世界に唯一「砂の博物館」

中国山地の花崗岩が風化してできた砂を、日本海から吹く風が10万年とも言われる年月をかけて運び、誕生したという鳥取砂丘。南北約2km、東西約16kmもあり、国の天然記念物であるほか山陰海岸国立公園の特別保護地区にも指定されてる。海岸近くに起伏の大きな砂丘があるのは、世界的にも珍しいのだ。「馬の背」と呼ばれる丘は海抜47mになり、15階建の建物ほどの高さがある。

シルクリード的風情 向こうが「馬の背」
ここに8年前に訪れたとき撮影
砂丘はその日その日の風によって砂の様子が変わるため、地元の人も一日とて同じ眺めはないと言う。

風紋
県内にも国内有数の内灘砂丘がある。今では能登方面に行き交う自動車道や住宅地が立ち並び、昭和30年代の砂丘風景はなくなってしまった。

それでもまだ風紋が望める場所がある
鳥取砂丘の直ぐ近くに、世界でただ一つという「砂の博物館」がある。そこでは“砂で世界旅行”をコンセプトに、毎年テーマを変えて砂の彫刻の展覧会を実施している。砂像を展示する美術館としては世界唯一。
2022年1月3日までは第13期として「チェコ&スロバキア編」を開催。世界10か国17名の砂像彫刻家が制作した19作品が展示されています。そのスケールは圧巻!
チェコ&スロバキア編開催中
「チェコ&スロバキア編」のテーマは“盛衰の歴史と神秘の残影を訪ねて”。おとぎ話のような景観から、長い歴史に眠る出来事や神秘的な伝説を持つ両国の二面性を感じられるのも特徴となっている。
驚くべきは、凝固剤や軸は一切使用せず、砂像の材料が砂と水のみであること。組み立てた木材の中に砂と水を入れて転圧機で叩いて固め、数日後に木枠を外し、コテを使って慎重に彫り刻んでいくのだとか。

8年前に「東南アジア編」を見学した
千里浜の砂像も素晴らしいが、ここの美術館は桁違いである。ちょっと遠いが行った甲斐があると思われるお勧めできる施設である。

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