時の人は、望月新一・京都大学教授である。5歳のころに渡米し、16歳で米国の名門プリンストン大に入学し、32歳で教授に就任した俊英だという。米国生活が長かったが、周囲の人によるとその経歴とは裏腹に、活動を日本国内で行うことに強いこだわりがあった。
重要な数学の発見を世に問う場合、最も権威がある米専門誌「アナルズ・オブ・マセマティックス」に投稿することが多いが、今回は望月氏の強い意向で、京大数理解析研究所が編集する専門誌への投稿となったとみられる。同研究所は編集長の望月氏を除外して特別編集委員会を編成、審査を行うことになった。
4編計646ページからなる論文は、斬新さと難解さから査読(論文の内容チェック)に8年かかったが、その正しさが認められることになった。
トーシローには設問自体がちんぷんかんぷん |
有名な数学の難問「フェルマーの最終定理」(1995年解決)や「ポアンカレ予想」(2006年解決)の証明などと並ぶ快挙となるのだとか。 望月教授は2012年8月、構想から10年以上かけた「宇宙際タイヒミューラー(IUT)理論」の論文4編を、インターネット上で公開した。
京大 望月教授 |
これを用いればABC予想など複数の難問が証明できると主張し、大きな注目を集めたが、既存の数学が存立する枠組み(宇宙)を複数考えるという構想はあまりに斬新で、「未来から来た論文」とも称された。
東工大のある教授の評によると、この論文はノーベル賞を3つ4つ貰える程の価値があるという。
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