町内でも該当者が何人かおられる。そのうちのある人は、3年ほど前に親が亡くなって一人暮らしとなった。玄関フードは自分が出入りする以外は施錠している。このため、町費集金、回覧板を回すときは班長や隣人泣かせ。回覧板なんかは雨に濡れて次の人が読めなくなっている場合もあるという。親の年金に頼って生活していた筈が今は生活費の捻出はどうなっているのか他人事ながら心配だ。
中高年のひきこもりが全国で推計61万3000人に上るとの内閣府の調査について、根本匠厚生労働相は29日の記者会見で「大人のひきこもりは新しい社会的課題だ。さまざまな検討、分析を加えて適切に対応していくべきだ」と述べた。
内閣府が2015年度に実施した調査で、15~39歳の「若年ひきこもり」は54・1万人と推計された。今回、40~64歳の「中高年のひきこもり」について国レベルで初の調査を実施。調査方法の一部変更があったため単純比較はできないが、その結果に基づく推計数は、若年層を上回った。
分析にあたった内閣府の北風幸一参事官は「想像していた以上に多い。ひきこもりは決して若者特有の現象ではないことがわかった」と述べた。
今回の推計は、ひきこもる中高年の子と高齢の親が孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」が、特殊な例ではないことを示すものといえる。また、「就職氷河期世代」(おおむね現在の30代後半~40代後半)の多くが40代に達したため、中高年のひきこもりが増えているとの指摘もある。 調査時期や手法の違いから「若年」と「中高年」の推計を単純合計はできないとしつつも、北風参事官はひきこもり総数が「100万人以上」になるとの見方を示した。
今回の調査は18年12月、無作為抽出した40~64歳5千人を対象に実施(有効回答65%)。その結果、ひきこもっていた人の年齢層は40代が38・3%、50代が36・2%、60~64歳が25・5%だった。期間は5年以上の長期に及ぶ人が半数を超え、20年以上の人が2割弱を占めた。性別は男性76・6%、女性23・4%で、男性が多い傾向があった。ひきこもり状態にある人の比率は全体の1・45%。この比率から全体状況を推計した。
中高年のひきこもりが社会問題化してこなかったのは、国による調査がなされなかった影響が大きい。全国の自治体や研究者から、ひきこもりの半数が40歳以上という調査結果が次々と出ていたにもかかわらず、国は放置してきた。こうした国の姿勢は「ひきこもりは青少年の問題」という先入観を広げることにもつながった。その責任は重い。今回の調査をきっかけに、中高年の当事者のニーズを丁寧にくみ取った就労支援に加え、当事者や経験者らが集まって緩やかに経験を共有できる居場所を全国につくることが必要だ。
そうなった一因として、「40歳以上の男性は、社会と家族を支える役割がある。そういう意識の強い年代だから、助けてと言うことさえ、はばかられる方たちがいてもおかしくない」という見方もある。
当時を振り返った男性の言葉なのだ。親とともに老いていく不安を感じながらも、頼れる場所を知らなかった男性。収入もなく、自己破産した。債務整理を行った弁護士からたまたま紹介されたのが、田中さんという方だったという。ひきこもり始めて10年近くがたっていた。
この10年で、1615人のひきこもりの人を支援してきたNPO法人「STEP・北九州」の理事、田中美穂さんが今、特に力を入れているのが中高年の支援だという。
民生委員に任せておけばという意見が多いのだろうが、ある民生委員曰く、「玄関の敷居をまたいではいけない」という社会福祉協議会の方針があるので、家には入らないのだという。これではひきこもりの本人から何に困っているか聞きだすことはおろか、心を開いてはくれないだろう。本人とのコンタクトが極めて難しい。さぁ、どうする?
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