2019年1月2日水曜日

御利益ある八福神公開中

寺町の西方寺で「八福神」の掛け軸が公開中だという。
“八福神”が描かれた掛け軸を本堂に掲げ「たくさんの人にめでていただければ」と話す田畑智海住職
=金沢市寺町で
七福神よりおめでたい? 金沢市寺町の天台真盛宗西方寺で、正月に向けて七福神ならぬ、“八福神”を描いた掛け軸が本堂に掲げられている。田畑智海(ちかい)住職(52)がかつて学僧として中国に渡った際、現地の寺院で譲ってもらったといい、「参拝に来られた方に福の神の御利益があれば」と話している。

掛け軸は縦約百七十五センチ、横七十センチ。中国では福を招く「八仙人」として知られ、絵などの題材のほか、信仰の対象にもなっているという。描かれているのは八人の中で唯一の女性「何仙姑(かせんこ)」、ひょうたんを抱えた「李鉄拐(りてっかい)」、ロバに乗って日に数万里を移動するという「張果老(ちょうかろう)」など伝説の仙人たち。日本の七福神のように、それぞれが特徴豊かに描かれている。

今まで中国伝来と思っていたが、そうなんだ。七福神は日本の神様だったとは!

田畑住職が二十五年ほど前、天台宗の教育機関「叡山学院」に在籍当時、宗祖最澄の足跡をたどるため訪れた中国・浙江省にある天台山の寺院で出合った。寺院内にはさまざまな書などが掛けられていたが、日本の七福神に似たこの絵に特に興味を持ち、寺の僧侶と話をしているうち、譲ってもらえたという。

講演中の田畑智海住職
持ち帰ってからは大切に扱い、人目に付く機会は少なかった。田畑住職がかつて教えを受けた老僧から「良いご縁があり、めでたい掛け軸。広く見てもらっては」と言われ、五年ほど前から正月時期に合わせ本堂で公開するようになった。田畑住職によると、作者や描かれた時期などは不明。「文化財のようなものでもない」が、「巡礼の旅での授かり物。たくさんの方にめでていただき、福のお裾分けになれば」と話す。今月七日ごろまで本堂で公開する。

寺町 西方寺
金沢には、<飴買い幽霊>、<飴買い地蔵>などの民話がいくつかある。
寺町の西方寺に伝わる<飴買じ地蔵>の民話もその一つである。
不治の病で亡くなった身重の女人を葬ったところ、その墓地から赤子の泣き声が聞こえ、それを聞いたお地蔵さんが赤子に飴を買って与えていた。
これを聞いた人々はありがたい話だと、後になってお地蔵さんの体を削って煎じ、子供に与えると病気が治ると噂が広まった。
お地蔵さんを守るために山門横に小堂を建て祀っている。

西方寺は1572年現在の福井県越前市に開創され、前田利家の信仰を篤く受けたといわれている。1585年利家の要請を受け金沢に移転し、1616年現在地に移っている。
(1)寺名:西方寺(さいほうじ) (2)住所:石川県金沢市寺町5-6-48
(3)山号:恵光山 (4)宗派:天台真盛宗
(5)開山:盛尊 (6)開創:1572年 (7)本尊:阿弥陀如来

八福神の掛け軸の写真を検索したが見当たらなかった。現物を拝みに行くしか見ること能わず!




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