昭和30年3月、宇出津港から初めて能登商船に乗って七尾港へ行った。これが能登商船との最初の出会いだったが、実家に帰るときに必ずこれを利用したわけではない。船はそんなに大きいものではなかった。客室は畳敷となっており、だいたい寝ころんでいる人が多かった。自分はほとんど2階の椅子席に座った。所要時間は約3時間ほどだった。
就航していた「くれない丸」 |
この頃、宇出津港には杉の丸太がうず高く積まれており、木炭も山積みされていた。冬場は宇出津~穴水間の省営バスが不通の場合も利用していた。高校1年の時、夏休みに入ったので金沢から実家まで自転車で行くことにした。ところが、国道は砂利道で轍のへこみがそこら中連続しているため、思うように進まないので、七尾港から宇出津港まで能登商船に乗ることに変更した。宇出津から実家まで約10kmを自転車で行った。
能登商船発着場(現在の食祭市場付近) |
この商船航路は穴水・蛸島間の鉄道開業や、道路網整備が進み、昭和57年その役割を終えた。そんな経験をしてからもはや70年を過ぎようとしている。
ポンポン船の音があちこちで響いていた光景がなつかしい。
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