2021年2月15日月曜日

珠洲に本社移転という大英断をした救世主

「過疎化対策」という言葉を聞いたのは何年前だろう。集団就職という言葉は昭和30年代から聞いたが、「あぁ上野駅」の歌がヒットした昭和39年がピークになるのだろう。集団就職した団塊世代は高齢化したが、それに伴って全国各地の過疎化が顕著になった。5人兄弟だった吾が家族も両親だけが残り全員が故郷を後にしてうん十年、その両親も既に他界した。人口もピークの1/3に減少した。過疎化対策が叫ばれてはいるものの、これといった妙薬がないのである。

能登半島の9自治体のうち8自治体が「消滅可能性都市」として挙げられるほど、地域の少子高齢化や過疎化は深刻な状況にある。 
ところが、である。救世主が現れた!
「社会のサステナビリティー(持続可能性)を高めるためのビジネスをすることが、特に上場企業の責任だと思うようになりました。」と云う人が現れたのである。

(株)イワキ 岩城慶太郎社長

東証一部上場の医薬品商社「イワキ」(東京都中央区)が本社機能の一部を珠洲市に移転する意向を表明した。経理や人事などの部門を段階的に移し、2023年11月までに3割程度の社員が働くようにするという。社員に多様な働き方を提供する一方、珠洲を社会課題の解決につながるビジネスの研究開発拠点にし、他地域への応用も目指す。

過疎化=少子高齢化+仕事を求め都市に流出

なぜ珠洲に移転?不思議に思うのは自分だけではないだろう。
◆岩城社長 私自身、ビジネスへの考え方がこの1年で大きく変わりました。ただ金を稼げばいいというものではなく、社会のサステナビリティー(持続可能性)を高めるためのビジネスをすることが、特に上場企業の責任だと思うようになりました。奥能登の人口規模であれば役に立てるビジネスを興せるだろうと。そのために地元との関係性を強めたいと考えました。

――奥能登との関わりはあったのですか。
◆5年前に妻と初めて旅行しました。里海里山の美しさや食材の豊かさ、住んでいる人たちの温かさに魅了され、それからは2カ月に1度のペースで訪れるようになりました。
――珠洲ではどんな事業を行うのですか。
◆珠洲は、少子高齢化や過疎といった日本の社会課題の先進地です。しかも、さまざまな規制や利害対立も東京などと比べると格段に少なく、いろいろな実証実験をするには最適です。私はここを「新規事業を興すための研究開発拠点」と捉えています。ドローン(小型無人機)を使った薬の輸送や健康食材とウオーキングを組み合わせたツーリズムなどアイデアはたくさんあります。

正に「奇特」な人が現れたものである。是非成功を収められることを期待し、他の企業もこれにならって是非能登に進出してもらいたいものである。

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