2017年1月7日土曜日

仕事始めを御用始めと言われた頃

正月休みが終わり1月4日は昔から、官庁や企業の業務が開始される日で仕事始めという。
それを私が退職する20年前までは、何の違和感もなく御用始めと称していた。昭和の終わり頃までだろうか。どうして呼称が変わったのかはっきりとした記憶がない。

パソコンデータを整理していたら、私がまだ独身時代の昭和43年の御用始めの写真を見つけた。
その写真を見ながら当時の御用始めのセレモニーを思い出した。
始業は8時30分。自分のテーブルの椅子に掛け、課員と雑談しながら時間を過ごし、10時、局長の訓示を聞くため新館講堂に全職員(約400名)が集合し居並んだ。

局長曰く、「わが国は高速道路の整備に伴い、これから急速にモーターリゼーションの時代となる。やがては皆さんもマイカーを持つことになるだろう・・・」と。
当時の給料は2万円前後。サニーやカローラが70万円、とうてい手が届かない高嶺の花なのに、マイカーブームがすぐ到来するとは信じられなかった。しかし、5年後には私もマイカーを持つことができた。
局長の訓示が終わると各課ごとに記念写真撮影となる。
土木課全職員
各課で40数名がお神酒を酌み交わし、雑談に盛り上がった。
私は労組分会の青年部副部長のポストにあったので組合事務所にも顔を出した。
組合関係者一同
正午前にはお開きとなって、幹部は挨拶回りという名目で各課の業務が解放される。
そして毎年の如く課の有志数名が安全祈願のため犬山の成田山に出かけた。(準公務)
名鉄新岐阜駅から犬山遊園駅まで約50分。駅からモノレールに乗り換え成田山に到着する。
今の犬山成田山
お堂に入り護摩の煙を浴びながらお詣りした。ザルが回され、身に着けている財布等をその中に入れ護摩の煙にかざされる。1年間、無事息災の御利益があるとのことであった。
一方、安全祈願をしなかった者の何人かは、課長の自宅に押し掛けた。課長の奥さんはさぞ大変だっただろうと思うのである。
国鉄分割民営化の20年前の御用始めであった。
今年の石川県仕事始めのセレモニー

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