2024年2月17日土曜日

53年前の新日本紀行御陣乗太鼓に痺れた

NHK昭和46年「新日本紀行」で御陣乗太鼓の模様が放送された。53年前になるが、見ていた場所は広島だった。筋骨隆々とした北岡周治さんのお父さんの太鼓を打つ姿に魅了された。昨年まで保存会長をされていた北岡周治さんはまだ13歳前後だったことになる。翌年、職場の者2人を連れて奥能登旅行をしたのだが、名舟に寄り急な崖の上にある集会所で御陣太鼓の実演を見た。

その北岡さんは能登半島地震で金沢に避難されているという新聞記事を見た。記事には太鼓は町内の者しか打つことができないという厳しい掟が今も継承されている。

御陣乗太鼓

太鼓や400年以上受け継がれてきた面など一式は浅野太鼓楽器店(白山市)に「避難」。同店の好意でスタジオも稽古場として利用できることになった。7日、保存会のメンバーが久々に集まった。熱のこもった練習を終え「本当に気持ちいい。これやからやめられん」と北岡さん。その隣で弟の江尻浩幸さん(63)は「体力が落ちとるなあ。でも新たな一歩や」と汗を拭った。

門外不出の伝統芸能
世帯数が70を割り込んだ小さな名舟町で、男衆だけに伝わる門外不出の伝統芸能。行儀が悪いとちゃぶ台をひっくり返して怒った父でさえ、箸で茶わんをたたく太鼓のまね事は許したという。「名舟の誇り」はこうして受け継がれてきた。

北岡さんは輪島市内の妻の実家で20人以上の親族と正月を迎えた。午後4時過ぎの地震は、まさに乾杯の直後に起きた。避難先を転々とする中でも、太鼓のことが心配だった。御陣乗太鼓会館に収められた一式に損傷がないと分かった時はほっとしたという。

久しぶりに兄弟で練習した北岡さん

北陸新幹線が県内全線開業する3月16日は金沢で祝い太鼓を披露したいと願う。名舟大祭の舞台は土砂で流され、開催できるかどうかは分からないが、「やはり祭りで海に向かって奉納したい。一人でも行ってたたきたいわ」と北岡さん。故郷で御陣乗太鼓を響かせることが、被災地を元気づけることだと信じている。

北岡さんの子供さんも御陣乗太鼓を打つようになられたという。親子そろっての熱演が是非見たいと思っている。

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