金沢で最も長い直線道路といえば金石街道である。江戸時代初期、宮越といわれた港町から市中心部までの物資の運搬のため、利常が整備に着手したという。測量にあたり、金沢城から夜中に計画道路の中心にかがり火を焚いて方向を決めたという逸話がある。
昭和44年3月撮影の金石街道 道路右側に北鉄金石線があった |
沿道には明治になって馬車鉄道が引かれ、電化が進むと北陸鉄道の金石線に。「金石の歴史を知る会」会長の林吉三(きちぞう)さん(75)は、北鉄と市電を乗り継いで市内の高校に通った。「単線の金石線は集落をつないで田んぼの中を走った。長田の辺りは工場が多かった」と振り返る。
高校入学は「三八豪雪」のあった一九六三年。「狭い街道は雪で埋まり、車一台がやっと通れるほどだった」。雪害の教訓や鉄道の廃線を受けてその後、県道は拡幅が進められていった。
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