2013年10月1日火曜日

新幹線計画業務(その8)君の鼓膜は破れている

昭和45年の重大ニュースの一つに大阪万博の開催が挙げられる。それは3月14日に開幕し、6か月間大人気を博した。
その入場券2枚を購入し仕事の合間を見つけて夫婦で見物することにした。

しかし、妻が流産の懸念があったため大事をとって結局行くこと能わずで、今も2枚の入場券が大切にしまってある。
5月12日、宇品港でシージャック事件が発生し、犯人が狙撃される生々しいニュースが流れた。

テレビで実況中継が始終流れており、仕事そっちのけで成り行きに注目した。
そして犯人は狙撃されその場で倒れこんだ。この情景の記憶は鮮明に残っている。
全日空アカシア便ハイジャック事件や、東亜国内航空墜落、全日空機が自衛隊機と衝突墜落するなど飛行機事故が頻発した年でもあった。
三島由紀夫割腹自殺もこの年。
私個人的にも8月上旬に鼓膜破裂というアクシデントが発生した。係長を除く若手で山口県柱島(戦艦陸奥が轟沈した場所)へ海水浴に出かけた。私は家の近くの川や曽々木海岸で水泳をした経験が豊富であった。柱島の海岸も岩場で水深が深い。そこで勢いよく3mほど潜ったところ、耳が「ぎしっ」としたのでいつも経験する水が入ったと思った。岸に上がりピョンピョン飛び跳ねたが水が出ずすっきりしなかった。
朝目覚めて枕が濡れているのに気付いた。入った水にしては多すぎる量であった。病院で診察をしてもらったところ、「鼓膜が破れている」と告げられた。それから3週間ほど毎日治療に通った。鼻、口、耳に管を差し込まれて「プシュー」とエアーを吹き込まれた。

二人暮らしのアパートの居間に応接セットが入り、オーディオコンポとテープレコーダーを据え付けた。近くの独身寮から若い衆が頻繁に麻雀をしに来るようになった。女房の作る夕食目当てでもあった。
アパートの駐車場に2台のマイカーがあり、いつかは俺もと羨望の気持ちがあった。
9月には九州旅行に行こうと話が決まり、5人で日南海岸、青島、鹿児島、指宿に出かけた。
西郷どんの銅像前で
2度目の青島
開聞岳を背に
指宿のあるホテルにジャングル風呂があるというので行ってみた。大勢の宿泊客で大賑わいであった。大ガラスドームに覆われた熱帯植物園の中に大小さまざまな浴槽があった。男女混浴なので、小高い茂みに囲まれた浴槽の縁に5人が並んで腰かけて若い女性が来るのを待った。そのうち温泉に漬かっていた膝までが真っ赤になった。
おばあさんが2,3人入ってきたようだったが、それ以上待つのは諦めた。


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